2005 Fiscal Year Annual Research Report
肝臓および卵巣由来成分による魚類の卵膜形成過程の解明
Project/Area Number |
17780148
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
藤田 敏明 北海道大学, 大学院・水産科学研究院, 学術研究員 (30396311)
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Keywords | コリオジェニン / ZPB / ZPC / 魚類 / 卵膜形成 / 卵形成 |
Research Abstract |
本研究では、魚類の卵膜形成過程を解明することを目的に、生化学的および分子生物学的解析を行っている。本年度は、研究計画に従い、サクラマス卵巣で発現する2種類の卵膜蛋白遺伝子のクローニングおよびそれらの発現部位の観察等を行った。 サクラマス卵巣から単離したZPBおよびZPC遺伝子の断片を基にRACE法により全塩基配列を明らかにした。得られたcDNAクローンの全長はポリAを含む1406bp(ZPB)および1061bp(ZPC)であり、それぞれ406および314残基のアミノ酸をコードしていた。ZPBの推定アミノ酸配列にはZPBファミリーに特徴的なtrefoil factor familyドメインおよびその直下に存在するZPドメインが観察された。同様に、ZPCもZPドメインを含んでいた。サクラマスZPBおよびZPCのアミノ酸配列はコイZPBおよびZPCと高い相同性を示した。次いで、これらcDNAクローンに対する特異プライマーを作製し、発現部位をPCRを用いて観察した。その結果、ZPBおよびZPC遺伝子は卵巣で特異的に発現することが明らかになった。また、すでにクローニングした3種類のコリオジェニン遺伝子の発現を同様の方法で観察した結果、その発現は肝臓のみに認められた。これらの結果から、サクラマスの卵膜は肝臓由来の3種類の蛋白および卵巣由来の少なくとも2種類の蛋白から構築される事が示唆された。
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Research Products
(1 results)