2005 Fiscal Year Annual Research Report
半閉鎖的で特殊な物理環境をもつ海における動物プランクトンの種多様性と群集構造
Project/Area Number |
17780152
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
西川 淳 東京大学, 海洋研究所, 助手 (10282732)
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Keywords | メソ動物プランクトン / 群集構造 / 種多様性 / スールー海 / 半閉鎖的海域 / セレベス海 |
Research Abstract |
試料の採集、ソーティング、種レベルの同定の実施 研究初年度にあたる本年は、研究船「白鳳丸」による研究航海時にスールー海と隣接するセレベス海、南シナ海でMOCNESSにより昼夜鉛直区分採集された試料を用いて、動物プランクトンのソーティングをまず12の高次分類群ごとに行った。また、カイアシ類、ヤムシ類など一部分類群に関して種レベルの解析を行った。さらに南大洋に隔離された固有種Salpa thompsoniについても試料の採集を行った。 データ解析および成果の公表 得られたデータを解析することにより、主として以下のことが明らかになった 1.各海域間の水柱内の動物プランクトン全体の生物量の有意差は無かった。中層(400m)以深での比較でも同様に海域間で差が見られなかった。 2.各海域間の水柱内の動物プランクトン高次分類群組成の比較を行った結果、スールー海で他の隣接海域よりもカイアシ類、貝形類の割合が高いことがわかった。 3.各採集深度層での卓越種、出現種数、多様度の算出、およびそれらの鉛直的な比較し、各採集層間で群集構造がどの程度類似するかを調べるため、平衡性を考慮した類似度指数を用いて各採集層間の類似度マトリックスを作成し、それをもとにクラスター分析を行った。その結果、クラスターは海域間よりも深度によって形成されることがわかった。 4.ヤムシ類について種レベルでの現存量、鉛直分布の比較をスールー海、セレベス海で行った。 これらの結果は、シンポジウム発表1件、論文2本(うち1本は投稿中)にまとめられた。
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Research Products
(1 results)