2006 Fiscal Year Annual Research Report
魚類における最終成熟誘起ステロイドの機能に関する研究
Project/Area Number |
17780158
|
Research Institution | Nagahama Institute of Bio-Science and Technology |
Principal Investigator |
池内 俊貴 長浜バイオ大学, バイオサイエンス学部, 講師 (00367898)
|
Keywords | 最終成熟誘起ステロイド / 応答性遺伝子 / メダカ |
Research Abstract |
前年、10nM DHP添加、無添加の各条件下で3日間飼育したメダカの内臓諸器官由来のcDNAから、genefishing PCR法により、DHP添加の有無で増加あるいは減少したクローンを26種類単離したことを報告した。本年度はさらに、20種類のクローンを単離した。それら46種類のクローンそれぞれについて適当なプライマーを設計した。そのプライマーを用いて、各4個体からなる10nM DHP添加、無添加群のメダカからそれぞれ抽出したRNA中における各クローンに対応する遺伝子の転写産物量をリアルタイムRT-PCR法により定量した。 その結果、既知の分子とは相同性の見られないある新規なクローンが脳及び鰓において有意にDHP依存的な発現の誘導がみられた。また、TBT-BP、FGF2、60Sリボソームタンパク、カルシウムチャネルa2d2サブユニット、ステロイド5α還元酵素様遺伝子、三量体Gタンパクα13および、2種類の既知の分子とは相同性の見られない新規な遺伝子でDHP依存的な発現の誘導の傾向がみられた。 脳及び鰓において有意にDIF依存的な発現誘導がみられた新規クローンについてその全長を推定するためにメダカゲノムデータベースで検索したところ、5'側はまだ配列決定のなされていない領域であった。そこで、5'RACE法を行ったところ、約1kbpのDNA断片が増幅された。これを元にDDBJのデータベースに対してBLASTサーチし分子種の推定を行ったが、全長で推定しても既知の分子に高い相同性を有する分子は見つからなかった。また、ゲノムから5'上流域について約2kbpのDNA断片を単離することができた。
|