2005 Fiscal Year Annual Research Report
湖沼における有毒・有害プランクトン遺伝子診断法の実用化
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17780162
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Research Institution | Lake Biwa Environmental Research Institute |
Principal Investigator |
石川 可奈子 滋賀県琵琶湖, 環境科学研究センター, 研究員 (80393180)
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Keywords | 環境 / 陸水学 / バイオテクノロジー / 赤潮 / アオコ / モニタリング |
Research Abstract |
1.国際海洋研究会議(UNESCO Headquarters, Paris, France June 6-10)への参加とポスター発表、および図書文献収集を行い、有害藻類HAB(Hamful Algal Blooms)に関する世界最先端の研究動向について情報収集を行った。 2.滋賀県琵琶湖・環境科学研究センターで維持している琵琶湖産ラン藻ミクロキスティス株・淡水赤潮形成種ウログレナ株を大量培養した。ラン藻類については、16SrRNA遺伝子(真核生物であるウログレナの場合は18S)の相同性解析によってターゲットとなる種に特異的に反応するプライマーを作成した。また、ミクロシスチン生合成遺伝子(mcy)クラスター増幅用のプライマーを用いたPCRにより、ターゲット種の特異的検出と毒性株の判定を行った。 3.TaqMan-probeとSYBER Greenを用いたReal-time PCR法により、ミクロシスチン生合成遺伝子を有する毒性培養株の細胞数と蛍光発光の閾値にあるPCRサイクル数との関係から定量化を試みた。細胞数の対数値とPCRサイクル数の閾値との間で検量線が得られ、有毒アオコのモニタリングに適用できることがわかった。 4.これまでに開発した有毒・有害プランクトンの遺伝子診断法を実用化するため、試験的に來雑物を含む野外(琵琶湖)の湖水を用いた淡水赤潮・アオコの定量を、ブルームの発生状況に応じて行った。春季(4月〜6月)は、淡水赤潮を形成する黄色鞭毛藻ウログレナアメリカーナ,夏〜秋季(8月〜11月)は、アオコ形成ラン藻ミクロキスティス・エルギノーサ)をターゲット種と定めた。いずれも、遺伝子診断の結果がブルームの消長と合致しており、モニタリングに利用できることを実証した。
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