2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17780166
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
小桧山 篤志 北里大学, 水産学部, 講師 (60337988)
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Keywords | 渦鞭毛藻 / Alexandrium tamarense / 温度 / 塩分濃度 / 環境応答 / 環境適応 |
Research Abstract |
渦鞭毛藻の環境応答・適応機構を明らかにすることを目的として、本年度はAlexandrium tamarenseの温度および塩分濃度応答について調べた。まず初めに、A.tamarenseの温度耐性を調べるために、15℃で培養した細胞を0、4、15、20、25、30および37℃で1時間処理した後、15℃で一晩培養して生存率を比較した。その結果、0〜25℃処理区では通常の培養温度である15℃処理区とほぼ同様の生存率を示したのに対して、30および37℃ではそれぞれ、15℃処理区の約50および20%まで生存率が減少した。次に、温度ストレス応答に関与するHeat shock protein 70(Hsp70)の熱ストレス処理による発現を、抗ラットHsp70抗体を用いたウェスタンブロット解析で調べた。その結果、15および20℃で1時間処理した区と比較して、25および30℃で1時間処理した区ではHsp70量が増大する事が示された。また、25℃で30分〜4時間処理した細胞を用いて同様の解析を行った結果、30分、1、2および4時間と、処理時間に依存してHsp70量が増大した。さらに、A.tamarenseの塩分濃度耐性を調べるために、細胞を様々の塩分濃度の海水で作製した培地へ移して生存可能な塩分濃度を調べた。その結果、20〜100%(塩分濃度約7〜35psu)の海水を含む倍地中で生存可能であることが示された。最後に、塩分濃度応答に関与することが予想されるMitogen-activated protein kinase(MAPK)のcDNAクローニングを3'-RACE法を用いて試みた結果、A.tamarense MAPKをコードする約850bpのcDNA断片を得る事ができた。
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