2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17780166
|
Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
小檜山 篤志 北里大学, 水産学部, 講師 (60337988)
|
Keywords | 過鞭毛藻 / Alexandrium tamarense / 温度 / リン酸 / ATPase / COX / アルカリホスファターゼ |
Research Abstract |
昨年度は,岩手県大船渡湾より単離したAlexandrium tamarenseの温度耐性を調べ,4℃と極めて低い温度でも生存が可能なことを示した。そこで本年度はまず,本種の低温適応機構を調べるために,他生物種でエネルギー産生に関与し,低温環境下で発現が誘導されることが報告されているArp合成酵素のγサブユニットおよびチトクロームc酸化酵素サブユニットIIのcDNAクローニングを行った。その結果,それぞれの遺伝子につき,他生物種の遺伝子と相同性を有するcDNAクローンを得る事ができた。また,4および20℃で培養したA. tamarenseにおけるこれら遺伝子のmRNA量の変化をRNAドットプロット解析を用いて調べた結果,両遺伝子において20℃培養細胞と比較して,4℃培養のものでmRNA量が増大する事が示された。 次に,A. tamarenseの栄養環境応答機構,とくに低リン応答機構を調べるため,低リン環境下で発現するタンパク質の探索を行うと共に,リン濃度が異なる培地で培養した際のアルカリホスファターゼ活性の変化を調べた。人工海水およびリン酸制限人工海水培地を用いてA. tamarenseを培養し,水溶性タンパク質を抽出してSDS-PAGEに供した結果,リン酸を含む培地で培養した細胞と比較して,リン酸制限人工海水培地培養細胞において,約75kDaのタンパク質成分の量が増大することが明らかとなった。また,水溶性タンパク質中のアルカリホスファターゼ活性を比較した結果,リン酸を含む培地で培養した細胞と比較して,リン酸制限人工海水培地のもので活性が増大する事が示された。
|
Research Products
(1 results)