2005 Fiscal Year Annual Research Report
水産物中のヒドロキシ脂質およびアルデヒド類を利用した新規の品質評価法の開発
Project/Area Number |
17780168
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Research Institution | National Fisheries University |
Principal Investigator |
田中 竜介 独立行政法人水産大学校, 食品科学科, 講師 (30399654)
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Keywords | ヒドロキシ脂質 / 品質評価 / 4-hydroxy-2-hexenal / アルデヒド / 酸化脂質 |
Research Abstract |
生魚を用いて生魚の品質を生体内のヒドロキシ脂質を指標として評価を行った結果、病気>養殖>天然の順にヒドロキシ脂質が蓄積していた。また、この時のビタミンE含量を測定した結果、ビタミンE含量が高いほどヒドロキシ脂質の蓄積を抑制することが示唆された。この現象を、魚類株化細胞(Hepa-T1:ティラピア肝臓由来)を用いて検証を行った結果、ストレスを与えることによってヒドロキシ脂質が蓄積し、さらにヒドロキシ脂質の蓄積によりビタミンEの含量が減少したことから、ビタミンEがヒドロキシ脂質の蓄積に関わることが示唆され、生魚と同様な結果が得られた。以上の結果から、ヒドロキシ脂質の蓄積量の測定により、魚類の品質を判別することが可能となった。 次に、アルデヒド類(特に4-hydroxy-2-hexenal:4HH)を利用した指標の有効性を検討するために、4HHを含むアルデヒド類の分析方法の開発を行った。その結果、1,3-cyclohexanedione(CHD)試薬を用いてアルデヒド類を蛍光標識化し高速液体クロマトグラフィーで分析する方法を開発した。この方法により、4HHの分析は既知の分析法より高感度に分析することが可能となり、さらに、他のアルデヒド類(ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピルアルデヒド)の同時分析も可能となった。この方法を利用し、サバを用いて鮮度評価を行ったところ、劣化の順に4HH量が上昇し汎用的に用いられているK値との相関性も見られ、さらに、K値よりも鋭敏な指標あった。 以上の結果から、ヒドロキシ脂質および4HHを利用した生魚の品質評価法の可能性が示唆された。
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Research Products
(1 results)