2005 Fiscal Year Annual Research Report
乾田化地域における不耕起・冬季湛水田の土壌および透水・排水特性
Project/Area Number |
17780182
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
牧山 正男 茨城大学, 農学部, 講師 (20302333)
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Keywords | 冬季湛水 / 不耕起栽培 / 水田 / 用水量 / 土壌特性 / 透水・排水特性 |
Research Abstract |
乾田化された水田地域の不耕起・冬季湛水田を主な対象として,水稲の不耕起栽培および冬季湛水管理による水田土壌構造の物理的な変容について測定し,その水稲栽培および周辺環境に対する影響について把握することを本研究の目的とする.具体的には,不耕起水田一般に共通する根成孔隙の存在と,その一方で冬季も湛水することによる有機物量の変化や乾燥亀裂の未発達が,乾田化された水田における土壌構造や減水深等に如何なる影響を及ぼすかについて,その実態を明らかにすることを研究の主目的とする. なお17年度は茨城県河内町の事例をもとに,用水量の把握について開始した.同時に,16年度より行っている土壌の硬度や透水性・保水性,有機物量,均平度などに関する検討を継続した. 今年度の結果を以下に要約する. (1)用水量については, inを降水量,パイプラインからの灌漑水量とし,またoutを降下浸透量と排水量として,さらに田面水位と地下水位の変動を押さえることとした。このうち17年度は機材の設置と,減水深および漏水量の把握に専念した. このうち特に漏水量については,綿密なデータ取得ならびに解析(謝金を利用)の結果,不耕起栽培水田での漏水過多,ならびに冬期湛水初期における漏水量の増加を明らかにできた.後者の要因は土壌の亀裂によるものだと思われるが,詳細は現在も検討を続行中である. 用水量の全体的な把握については,今年度は機材の設置が遅れたことから,十分に行えなかった.次年度以降への課題としたい. (2)土壌特性については, 50ccサンプラーによる不撹乱採土,並びに特製の検土丈を用いての撹乱採土によって,透水係数や有機物量(強熱減量による)などを測定した.冬期湛水田における有機物量の増加が観察された他,間隙分布の不均一性などが把握されたが,サンプラーのサイズに関する問題も残った.次年度への課題としたい.
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Research Products
(1 results)