2006 Fiscal Year Annual Research Report
イネ水チャンネルをターゲットとした環境ストレス発生メカニズムの解明
Project/Area Number |
17780196
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Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
櫻井 淳子 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 東北農業研究センター寒冷地温暖化研究チーム, 研究員 (40343959)
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Keywords | 水チャンネル / アクアポリン / 吸水機能 / 根 / 組織局在性 |
Research Abstract |
低温・高温、乾燥、高CO_2等の環境ストレスは、植物体内の水分ストレスと直接的または間接的に結びついていることが指摘されているが、その作用機作については未だ全容が解明されず、キーとなる生体分子も明らかにされていない。近年、生体膜に存在し水分子を選択的に通す水チャンネル(アクアポリン)というタンパク質が発見され、植物の水分生理に重要な役割を果たすことが明らかになりつつある。そこで本研究では、ゲノム情報の豊富なイネを材料とし、アクアポリンをターゲットとして環境ストレス発生メカニズムの解明を目指して研究を行う。 昨年度までに本申請課題にて、イネに存在する33種類のアクアポリン遺伝子のうち、15種類が吸水を担う根で多く発現していることを明らかとしたが、今年度はさらにこれらのアクアポリンの根における機能を明らかにするために、根の組織内における発現部位を解析した。まず15種類のアクアポリンのうち、特に発現量の多い8種類に着目し、個別に抗体を作成し反応性を検討したところ、個々のアクアポリンのみを特異的に認識し、他のアクアポリンメンバーは認識しない特異性の高い抗体であることが確認された。これらの抗体を水耕栽培した根の組織切片と反応させ、アクアポリンの局在部位を光学顕微鏡にて観察したところ、アクアポリンは内皮、外皮、表皮、皮相、維管束など様々な細胞に局在していたが、アクアポリンのメンバーによって、内皮細胞に特に多く局在するもの、内皮のみならず外皮細胞でも多く局在しているものなど異なる局在性が見いだされた。
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