2006 Fiscal Year Annual Research Report
脱顆粒反応を指標にした卵黄タンパク質のアレルゲン性評価システムの構築
Project/Area Number |
17780200
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
河原 岳志 信州大学, 農学研究科, 助手 (30345764)
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Keywords | アレルギー・ぜんそく / 生体機能利用 / バイオテクノロジー / 免疫学 / 蛋白質 |
Research Abstract |
本研究は、I型アレルギーの中心的な実験モデル動物であるマウスを対象に、食品(卵黄)のアレルゲン性評価システムの構築を目指すものである。判定には対象物質を摂取させたマウス体内で誘導されたIgEに対するマスト細胞の脱顆粒反応を利用する。昨年度まではマスト細胞の代替としてラット由来好塩基球細胞株を用いたが、FcεR Iのマウス-ラット間の種特異性により、ポリクローナルな抗体に対する応答性の差異が指摘されている。この点に関して、有用なマウス細胞株が存在せず、唯一マウス骨髄細胞より誘導されるマスト細胞(BMMC)が十分な脱顆粒特性を持っているが、分化誘導期間の長さや寿命の問題で現実的に系の構成要素とすることは難しい。そこで本年度の研究では今年度BMMCの脱顆粒特性を持つマウス株化細胞の樹立を試みた. 検討を行うにあたり、株化の手段としてハイブリドーマ作成技術を応用した手法を試みた。その際にパートナー細胞としてマウスマスト細胞腫細胞株であるP815細胞を用いた。これは、P815が脱顆粒応答に必要なFcεR Iのα、βーサブユニットを欠損している反面、増殖特性に優れ、長期の培養にも特殊な因子を必要としないことから、これをBMMCと融合することで、FceRI発現と無限増殖能を有するハイブリドーマが選択的に得られるという予想に基づいている。そこで、まずP815細胞を6-チオグアミンを含む培地で選択することで、ヒポキサンチン、アミノブテリン、チミジン(HAT)培地に感受性の細胞を得た。これをポリエチレングリコール法により既法により分化誘導したBMMCと融合した。得られたハイブリドーマは、マウスIgEを介した脱顆粒応答能を持ち、FcεR Iのα、βーサブユニットの発現も確認された。異常の検討により本研究の目指す用途に適するマスト細胞が成果として得られた。
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Research Products
(3 results)