2007 Fiscal Year Annual Research Report
脱顆粒反応を指標にした卵黄タンパク質のアレルゲン性評価システムの構築
Project/Area Number |
17780200
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
河原 岳志 Shinshu University, 農学研究科, 助教 (30345764)
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Keywords | 食品アレルギー / 脱顆粒反応 / アレルゲン / 卵 / IgE |
Research Abstract |
本研究は,I型アレルギーの中心的な実験モデル動物であるマウスを対象に,食品(卵黄)のアレルゲン性評価システムの構築を目指すものである。判定には対象物質を摂取させたマウス体内で誘導されたIgEによるマスト細胞の脱顆粒反応を利用する。筆者らは,前年度までにマウス骨髄由来マスト細胞(BMMC)をマスト細胞種細胞株と細胞融合することにより,IgEを介した脱顆粒応答能を持つハイブリドーマの樹立に成功した。今年度は,実際に人為的にマウスを免疫して得られたIgEを含む血清を用い脱顆粒応答による検出試験を行った。 抗原特異的なIgE誘導が行われていることを明確にする目的で,強いTh2型の免疫応答能を有するBALB/cマウスへの感作を行った。抗原として,Habaら(1974)の方法にならいジニトロフェニル基(DNP),標識された卵白アルブミンを得た。一般にDNPはIgEの抗原となりやすいハプテン構造であることが知られており,これをIgE誘導能を有する仮想アレルゲンとして6週齢のBALB/cマウスに水酸化アルミニウムゲルとともに腹腔内投与を行った。また,コントロールとして0VAのみを同様に投与する群も設けた。2週間後に追加免疫を行い,それぞれ抗DNP特異的IgEを含む血清の採取を行った。これを濃度でBMMCハイブリドーマに作用させ,脱顆粒応答により検出が可能であることを確認した。またこの脱顆粒応答能について,その成立に重要な役割を果たすIgE濃度別の応答性について検討をおこなったところ,これまで報告されていたラット好塩基球細胞株RBL-2H3を用いた測定法の検出限界となる10倍以上の感度にあたる数ng/mlのオーダーにおいても検出が可能であった。これによりマウスIgE誘導系とマウスマスト細胞の相互作用を応用した本測定系の有用性が示された。
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Research Products
(2 results)