2006 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝的価値のある疾患モデル動物と野生動物の精子保存および体外受精に関する研究
Project/Area Number |
17780206
|
Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
永野 昌志 鳥取大学, 農学部, 助手 (70312402)
|
Keywords | 野生動物 / 人工繁殖 / 精子 / 体外受精 / アムールトラ / 猫 / 犬 |
Research Abstract |
昨年同様、アムールトラからは電気刺激によって活性の高い精子を安定して採取可能であることが確認できた。採取精液をペレットあるいはストロー内で凍結保存したところ、融解後の活性は両群間に差がなく、体外で成熟させた猫卵子と共培養したところ、およそ50%の猫卵子にトラ精子が侵入することが確認された。このことからアムールトラの凍結には取り扱いが容易なストロー内凍結が有効であることが示唆された。また、新鮮精液を用いた人工授精を本年度は1回試みたが、妊娠にはいたらなかった。 猫科動物の体外受精系を確立するため、避妊猫の卵巣から取り出した未成熟卵子の最適体外培養時間を検討したところ、従来報告されている24時間培養よりも30時間培養の方が核成熟率が高く、凍結融解精子を用いた体外受精率も30時間の方が高いことが分かった。体外成熟培養30時間後の卵子を体外受精させ、体外で6日間培養したところ、およそ30%の胚が胚盤胞まで発育した。しかし、体外受精のために卵子と精子を共培養する時間を18時間と設定した場合、多精子侵入が高率に認められ、共培養時間を検討する必要性が示唆された。 犬射出精液を凍結あるいは低温(4℃)保存する際に、ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)を添加した場合、無添加に比べて精子の運動性および精子先体の保存状態の良いことが示された。しかし、39℃の培養条件下で同様にBHTを添加した場合は精子に毒性を示し、無添加区に比べて精子生存率が著しく低下した。現在、これらの精子の受精能を体外で確認するため、犬精子を用いた受精系の作製を検討している。
|
Research Products
(1 results)