2005 Fiscal Year Annual Research Report
ノックアウトラット作製が可能なラットES(胚性幹)細胞の樹立
Project/Area Number |
17780207
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
松本 浩道 東北大学, 大学院・農学研究科, 助手 (70241552)
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Keywords | 胚性幹細胞 / ES細胞 / ラット / ノックアウトラット / 発生 / 分化 / バイオテクノロジー / 再生医学 |
Research Abstract |
本研究では、ラットES細胞の樹立を目標とした。これまでのラットES細胞樹立の試みではマウスの方法がそのまま用いられてきた。しかしながら、マウスとラットでは、着床前初期胚発生が異なることから、ラット胚の特徴を考慮したES細胞の樹立系を確立していく必要がある。そこで本研究では、ラットES細胞樹立に必要な要素のうち、フィーダー細胞の組み合わせとラット胚におけるOct-4の発現動態の解析を行い、培養条件と胚のステージを決定し、ES細胞の樹立を試みた。 初代培養において、ラット胚盤胞期胚の付着率および増殖率は、フィーダー細胞にラット胎子線維芽細胞(REF細胞)を用いた区でSTO細胞区よりも高かった。さらにREF細胞を用いた区でコロニーの高い増殖能が観察された。継代後はSTOを用いた区でコロニー形成率が高く、アルカリフォスファターゼ活性が検出された。しかしながら、継代数が増加するに従って、アルカリフォスファターゼ陽性細胞は減少し、継代数7以降は検出されなかった。 胚におけるOct-4発現を解析した結果、桑実期胚ですべての細胞に強い発現が認められた。一方、胚盤胞期胚では内部細胞塊だけではなく、栄養膜細胞にも発現が観察された。 次に、最適なフィーダー細胞の組み合わせとOct-4発現の高い桑実胚を用いてES細胞樹立を試みた結果、ES細胞の性質をいくつか有した細胞を得ることが出来た。本研究の結果、ラットにおいては胚盤胞期胚よりも桑実期胚の方がES細胞樹立に適していることが明らかになった。また、フィーダー細胞とOct-4発現の高い胚の組み合わせにより、ラットES細胞を樹立できる可能性が示唆された。
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Research Products
(2 results)