2005 Fiscal Year Annual Research Report
Post-conditioningは脳梗塞による脳の損傷領域を軽減させるか?
Project/Area Number |
17780214
|
Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
中島 崇行 大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 助手 (30333644)
|
Keywords | 虚血 / ラット / 神経細胞 / post-conditioning |
Research Abstract |
本研究の目的は、神経細胞が死滅する程度の虚血を行った後、この虚血を完全解除する前に断続的な短時間の虚血/再還流処置、すなわちpost-conditioning処置を行うと、虚血によって生じる脳の神経細胞死を軽減できるかどうかを検討することである。以下にこれまでの成果について述べる。 (1)ラットを用いて椎骨動脈および総頸動脈閉塞法による虚血方法を確立した。 (2)ラットにはいくつかの系統があるが、この実験を行うに当たってどの系統が適しているのかについての検討を行った。実験にはS.D.系、Wistar系、F344系の3系統のラットを用いた。その結果、Wistar系およびF344系のラットに椎骨動脈および総頸動脈閉塞法を行うと、高頻度で強い呼吸抑制を示す個体が認められ、この系統のラットは実験に不適であることを確認した。 これに対して、S.D.系ラットは、呼吸抑制を示す個体はほとんど認められず、この3系統の中ではもっとも実験に適した系統であることが確認できた。 (3)S.D.系のラットに8分間の椎骨動脈および総頸動脈閉塞法を行うと、虚血解除直後では海馬における神経細胞死は認められないものの、虚血解除から2日以降になると神経細胞死が生じるいわゆる遅発性神経細胞死が認められた。 (4)S.D.系のラットに8分間の椎骨動脈および総頸動脈閉塞法を行った後、30秒の再還流+30秒の虚血を1セットしてこれを5セット行うという処置、あるいは1分の再還流+1分の虚血を1セットしてこれを5セット行うという処置のいずれにおいても神経細胞死を抑制することはできなかった。 今後さらにpost-conditioning処置等の条件を検討し、脳におけるpost-conditioning処置の細胞死防御効果の有無を検討する。
|
Research Products
(1 results)