2006 Fiscal Year Annual Research Report
InvivoRNAサイレンシング法を活用した哺乳類卵胞発育の人為的制御技術の創出
Project/Area Number |
17780216
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
井上 直子 名古屋大学, 大学院生命農学研究科, 助手 (90377789)
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Keywords | 畜産学 / 生殖生理 / アポトーシス |
Research Abstract |
哺乳類の卵胞退行機構には顆粒層細胞のアポトーシスが深く関与していることが明らかとされているが、卵胞退行過程で顆粒層細胞にアポトーシスを誘起するトリガー因子、細胞内シグナル伝達経路については未解明な点が多い。そこで本研究では哺乳類卵胞選択を制御している因子を探索し、その因子の遺伝子の発現をRNAサイレンシング法にて特異的に抑制し、アポトーシスを停止させることで、卵胞選抜を人為支配することを試みた。ブタ卵巣ではFasligand(FasL)/Fasが顆粒層細胞アポトーシスを誘起していることを明らかにし、FasL/Fas系の細胞シグナル伝達に関与するブタFas-associated death domain(FADD ; GenBank accession no.AY519264)ならびにcaspase-8(AY519263)のクローニングを行いそれらの発現ベクターを構築し、ヒト、マウス、ブタ顆粒層細胞由来の培養細胞にそれぞれ過剰発現させたところアポトーシス誘導能を有することを明らかにした。培養顆粒層細胞においてcaspase-8の阻害因子であるcFLIPを過剰発現させるとFas誘導性アポトーシスを阻害し、siRNAにより発現抑制すると、有意に細胞死が誘導された。現在アポトーシス誘導性の転写因子・FOXO3aによる顆粒層細胞死の発現抑制を解析中である。いずれもこれまでのところ初代培養ブタ顆粒層細胞においては遺伝子導入効率が非常に低く、in vivoでの顆粒層細胞の細胞死制御には至っていないが、今後遺伝子の導入方法を検討していく予定である。
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