2005 Fiscal Year Annual Research Report
2色の蛍光蛋白を用いたトキソプラズマ原虫の脳内再活性化原発部位の可視化
Project/Area Number |
17780227
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
高島 康弘 岐阜大学, 応用生物科学部, 助教授 (20333552)
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Keywords | トキソプラズマ / 潜伏 / 再活性化 / 蛍光蛋白 |
Research Abstract |
平成17年度の研究において、トキソプラズマ原虫の活性化・潜伏期の各ステージ特異的なプロモーターを確保できた。また、得られたプロモーターを用いてステージ特異的と予想されるトキソプラズマ原虫用発現ベクターを構築し原虫での蛍光蛋白発現を検証した。赤色蛍光蛋白遺伝子を導入したトキソプラズマは明瞭な赤色蛍光を発しており、当初の目的どおりの原虫が得られたものと思われた。この明瞭な発現は、半減期の比較的短い赤色蛍光蛋白によっても継続的に観察されているものの、その発現は弱く、半減期の長い蛍光蛋白が本実験系には適していることが明らかになった。また、発現は一過性のものではなく継続的なものであることが分かった。赤色と緑色の2色を発現する系においては、その発現効率が良くないので、この原虫をそのまま以降の研究にもちいることはせず、構造をさらに改良中である。 緑色と赤色の蛍光について、生体サンプルを用いた場合でも識別できることが確認され、当初懸念されていた各蛍光色素の波長の重なりによる解析の困難さは解決されている。さらにマウス脳サンプル内での蛍光の検出条件についてもすべての設定が完了し、極めて低いバックグラウンドの中に脳内で蛍光蛋白発現細胞が明瞭に浮き出す映像を得ることができている。 平成17年度中に2色の蛍光を発する原虫を作成するという当初の予定は達せられたものの、更なる改良が必要となったことは予想外であった。この意味で計画より若干の遅れがあるが他の多くの条件設定が予想以上の速さで整ったことは予想外であった。この意味で計画より若干の遅れがあるが他の多くの条件設定が予想以上の速さで整ったことを考えると、全体としては予定どうりであるいはそれ以上に順調にすすんだと考えている。現在取り組んでいる2色の傾向タンパクを発現する原虫の作成も技術的に困難な部分は既に終了しており、残された作業を継続することで平成18年度初頭に目的の原虫が得られるものと予想される。
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