2005 Fiscal Year Annual Research Report
野生齧歯類、ならびに肝炎を発症した伴侶動物におけるE型肝炎ウイルス感染の実態調査
Project/Area Number |
17780232
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
壁谷 英則 日本大学, 生物資源科学部, 講師 (10318389)
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Keywords | 野生齧歯類 / 肝炎 / 伴侶動物 / E型肝炎 |
Research Abstract |
-疫学調査のための検査方法の確立とサンプルの収集- 1)抗HEV特異抗体検出系の確立 HEVのウイルス様中空粒子(VLP)を用いた、各種動物(齧歯類、犬、猫)の抗HEV特異抗体を検出するELISA系を構築した。 2)野生齧歯類におけるHEV遺伝子検出状況 我が国の5道県(北海道、青森、島根、徳島、沖縄)より得られた野生齧歯類、合計216頭より肝臓サンプルを得た。このうち、島根、徳島、沖縄より得られた野生齧歯類の肝臓サンプル、計125検体についてRT-PCRを行ったところ、いずれのサンプルからもHEV遺伝子は検出されなかった。 さらに、我が国にペット用として輸入された齧歯類293頭より肝臓サンプルを得た。 3)伴侶動物におけるHEV抗体保有状況 我が国の動物病院において肝炎(慢性・活動性肝炎、肝線維症、欝血性肝炎、肝細胞変性、肝硬変、慢性胆管肝炎)と診断された犬15頭、および猫4頭の血清を収集した。これらの犬の血清酵素値はそれぞれALKP:54-4840,ALT:20-2016,AST:0-400,GGT:0-398であり、グロブリン値は2.5-4.9であった。これらの血清について、HEVのVLPを用いたELISAを実施したところ、犬では8頭、53.3%が抗体陽性(cut off値OD=0.7)を示した。一方、猫についてはすべて陰性を示した(OD値0.3以下)。これに対して、我が国の動物保護センターに収容された犬13頭、および猫20頭について検討したところ、すべて陰性を示した(OD値0.2以下)。
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