2005 Fiscal Year Annual Research Report
抗イディオタイプ抗体を用いた犬のリンパ腫の免疫療法
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17780235
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
桃井 康行 東京農工大学, 大学院・共生科学技術研究部, 助教授 (40303515)
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Keywords | 犬 / リンパ腫 / ミエローマ / 免疫グロブリン / 免疫療法 |
Research Abstract |
リンパ腫は犬では最も多くみられる血液系腫瘍である。化学療法が有効な腫瘍であり完全寛解が得られることが多い。しかしほとんど全ての症例が化学療法に抵抗性となり再発することが知られている。化学療法実施時の1年生存率はおよそ5割である。完全寛解時には化学療法を中止できることも多く、罹患動物の免疫能は比較的良好に保たれる。そこで寛解時に免疫療法を行うことでより長期間の寛解が得られることが期待できる。犬のリンパ腫はB細胞由来のものが多く、ほとんどが細胞表面に免疫グロブリンを発現している。これまでの申請者らの研究によりこれらの腫瘍細胞の免疫グロブリン遺伝子は再構成を起こしていることが判明している。細胞表面に発現している免疫グロブリン遺伝子は腫瘍細胞に特異的な抗原であり、潜在的に免疫治療の対象となりうる。本研究は平成17年度-18年度の課題である。本研究の遂行には臨床サンプルの採取が不可欠である。そのため初年度にあたる平成17年度には、動物のリンパ腫および多発性骨髄腫の症例から免疫源となる血漿サンプル等を採取し保存した。さらにミエローマ動物の血漿を材料としてプロテインAを用いてミエローマ蛋白(M蛋白)の精製を行った。精製後のM蛋白をSDS-Pageなどにより解析し精製度を確認している。また犬の多発性骨髄腫の症例とのリンパ腫の症例から腫瘍細胞の採材を行っており、免疫グロブリン遺伝子領域の再構成を起こしている領域の塩基配列を決定する準備を行っている。現在、精製した蛋白を健常動物へ摂取し、免疫源性を評価する準備を進めている。
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