2005 Fiscal Year Annual Research Report
剛直な炭素骨格を持つ新規スピロ型配位子の設計・合成と不斉触媒反応の開発研究
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17790002
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
穴田 仁洋 北海道大学, 大学院・薬学研究科, 助手 (90344473)
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Keywords | スピロ型配位子 / ジホスファイト / ロジウム(I)錯体 / 1,4-付加反応 / 分子内C-H挿入反応 / ロジウム(II)錯体 / 不斉反応 / α-ジアゾエステル |
Research Abstract |
本年度は光学活性1,1'-スピロビインダンを母核とする配位子を用いた不斉触媒反応の開発に関する研究を行い、以下の知見を得た。 (1)ロジウム(I)錯体を触媒とするボロン酸のα,β-不飽和カルボニル化合物への不斉共役付加反応において、スピロ型ジホスファイトを用いると極めて高い不斉収率(最高99%ee)が得られることを見出した。この結果は、ロジウム錯体を用いた有機ボロン酸のα,β-不飽和カルボニル化合物への触媒的不斉共役付加反応においてジホスファイト配位子を用いた初めての成功例である。また、ホスファイトのフェノキシ基に電子求引基を組み込んだ新規ジホスファイトを用いると不斉識別能を損なうことなく触媒活性が向上することが分かった。この新規配位子は、従来の不斉ホスフィン配位子では困難なシンナムアルデヒド誘導体へのアリールボロン酸の1,4-付加反応を機軸とする3,3-ジアリールプロパナールの不斉合成において極めて高い不斉収率を実現することを見出した。現在この新規ジホスファイト配位子の種々の不斉反応への適用を検討中である。 (2)Rh_2(S-PTTL)_4を用い分子内に二つのジアゾ部分を組み込んだα-ジアゾエステルの分子内二重C-H挿入反応を行なったところ、1,1'-スピロビインダン誘導体が完璧なジアステレオ選択性および99%の不斉収率で得られることを見出した。現在本反応で得られた環化生成物の新規スピロ型配位子への変換を検討中である。
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Research Products
(3 results)