2005 Fiscal Year Annual Research Report
新規ニトロキシラジカル型アルコール酸化触媒の開発と環境調和プロセスへの展開
Project/Area Number |
17790005
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
澁谷 正俊 東北大学, 大学院・薬学研究科, 助手 (40359534)
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Keywords | TEMPO / アルコール酸化触媒 / ニトロキシルラジカル / AZADO / Merrifieldレジン / 回収 再利用 / アザアダマンタン / サイクリックボルタンメトリー |
Research Abstract |
2年の研究期間の初年度に当たる本年度は、まず申請者らが先に開発に成功している高活性新規アルコール酸化触媒であるアザアダマンタン型ニトロキシラジカルの機能の解明を中心に研究を行ってきた。その結果、TEMPOを凌駕する1-me-AZADO(1-methyl-2-azaadamantan-N-oxyl)の触媒活性はTEMPOに比べメチル基1つ分の立体障害が緩和されたことにあるという実験的な証拠を得ることができた。また、回収・再利用を可能とする固相への担持にも成功した。 1、1-me-AZADOの機能-活性相関の解析 アザアダマンタン型ニトロキシラジカル種の特性を理解するため、活性部位近傍の嵩高さのことなる誘導体(1,3位にメチル基を持たないAZADO,1,3位に二つのメチル基を持つdimethyl-AZADO)を合成し、反応性を比較した。その結果、1-me-AZADOより立体障害が緩和されたAZADOには大きな反応性の違いが見られなかったが、TEMPOと同等の嵩高さを有すると考えられるdimethyl-AZADOは1-me-AZADOに比べ顕著に反応性が低下しTEMPOとほぼ同等の活性を示した。また、サイクリックボルタンメトリーの測定においてもdimethyl-AZADOが最も低い電位で酸化されるという、それを支持する結果が得られた。 2、固相担持型AZADOの開発 触媒の反応系からの除去を容易とし、回収・再利用を可能とする固相担持型AZADOの合成を検討した。その結果、Merrifieldレジンに結合したAZADOの合成に成功し、その触媒が1-me-AZADOと同程度であることを確認した。しかし4回までリサイクルしても1回目の95%以上の活性を保っていたが、5回目以降はその活性が徐々に失われていくことも同時に明らかとなったため、来年度はその原因を追求し、20回以上の再利用に耐える堅牢な触媒を開発することを目指す。
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