2005 Fiscal Year Annual Research Report
補酵素の新規機能性蛍光差導体の開発と、細胞内情報伝達機構の解析への応用
Project/Area Number |
17790010
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
平野 智也 東京医科歯科大学, 大学院・疾患生命科学研究部, 助手 (20396980)
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Keywords | 蛍光 / リン酸化酵素 / バイオイメージング / 有機合成 |
Research Abstract |
本研究課題は、「ある酵素の基質は何か?」、「ある基質の反応を担っている酵素は何か?」という、細胞内情報伝達機構を解析する上で必須な情報を得るために有用な、機能性分子の開発を目指している。具体的にはリン酸化酵素ファミリーをターゲットとして、セリン、スレオニンを持つ基質と、各々の基質の水酸基をリン酸エステルへと変換するリン酸化酵素の、正しい組み合わせに対して選択的に反応し、その蛍光特性が変化する機能性蛍光分子の開発を行っている。 こうした機能性蛍光分子は、基質と酵素が持つ官能基と反応して蛍光特性が変化する蛍光物質と、酵素反応に利用される補酵素の部分構造が組み合わさった構造としてデザインした。本年度は、まず蛍光物質の開発を行った。クマリンを蛍光団として、基質と酵素が持つ官能基と反応する部位としてオルトジアルデヒド基を用いて、様々な蛍光物質の合成を行った。オルトジアルデヒドの置換位置により合成が困難である化合物もあったが、数種類の新規化合物の合成に成功した。続いて、合成した化合物群、既存のオルトジアルデヒド含有芳香族分子であるオルトフタルアルデヒド、オルトナフチルアルデヒドと、反応性の比較及び、反応前後の分光学的特性の変化の比較をおこなった。その結果、全ての化合物で反応が進行し、極大吸収波長の長波長側へのシフトが起こったが、蛍光強度の変化には化合物間で大きな差が見られた。これらの結果と、反応後に生成する化合物の安定性等も考慮し、最適な蛍光物質を補酵素の部分構造と結合させ、目的の機能を持つかどうかの検討を行う予定である。
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Research Products
(1 results)