2006 Fiscal Year Annual Research Report
温度応答性高分子を用いる新規リサイクル型触媒の開発
Project/Area Number |
17790018
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
濱本 博三 帝京大学, 薬学部, 助手 (40365896)
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Keywords | 合成化学 / 高分子構造・物性 / 高分子合成 / 触媒・化学プロセス / 有機化学 |
Research Abstract |
機能性高分子であるポリ(N-イソプロピルアクリルアミド)(以下PNIPAAmと略記する)が温度等の外部環境の変化に応答してその物理的性質を変化させることに着目し、その挙動を有効に活用した新たなリサイクル型触媒反応システムの設計を行った。 架橋構造を有するPNIPAAmを合成してその特性について調べたところ、水中で加温すると有機化合物をその内部に取り込み、続いて冷却した後に有機溶媒中に移すと取り込んだ有機化合物を放出することを見出した。そこで、この架橋型PNIPAAmの特性を活かした反応システムを構築することを目的とし、4級アンモニウム塩ユニットを有する架橋型PNIPAAmの合成を行い、水中で高分子ゲル内部を反応場として活用することを鍵とする新しい反応システムの開発について検討した。その結果、この反応システムが塩基性水溶液中におけるClaisen-Schmidt反応に有用であり、反応が効率よく進行することを見出した。さらに、反応終了後冷却したのちに触媒を有機溶媒で洗浄することにより簡便に生成物を回収することができることも明らかにし、触媒のリサイクルにも成功した。また、このシステムのNitrile Aldol反応、Darzens condensation、Julia-Colonna酸化反応等の適用についても成功した。一方、その応用として、内部に金属酸化物クラスターを導入した架橋型高分子を調製し、その酸化触媒としての利用について検討したところ、過酸化水素水中における酸化反応が良好に進行することも明らかにした。
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