2007 Fiscal Year Annual Research Report
水系での固相合成〜グリーンケミストリーを指向したペプチド合成法の開発
Project/Area Number |
17790025
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Research Institution | Kobe Gakuin University |
Principal Investigator |
北條 恵子 Kobe Gakuin University, 薬学部, 助教 (20289028)
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Keywords | 水中合成 / 環境対応 / 固相合成 / ペプチド / 水溶性 / 保護基 / ナノ粒子 |
Research Abstract |
水分散型ナノ粒子としたFmoc保護アミノ酸を用いた水中固相合成技術の開発を目指す。これまでFmoc保護アミノ酸が水に難溶であるため、完全水系でのFmoc法による固相合成は検討されてこなかった。しかし、Fmoc保護アミノ酸を水に分散型ナノ粒子に加工すれば、比表面積の増大、他成分との均一に混合により、水中でも、Fmoc法による円滑な固相合成が期待できる。また、反応後のナノ粒子は遠心分離等で水から回収、再利用でき、水を循環できる方法にもつながるといえる。 ナノサスペンションはフリュッチ製遊星ボールミル中、ジルコニアビーズで水中2時間室温粉砕して調製した。分散添加剤として、ポリエチレングリコールを加えた。DLS測定、走査型電子顕微鏡の投影から得られた粒子がナノサイズであることを観察した。続いて、このナノサスペンションを用いロイシンエンケファリンアミド、デルモルフィンアミドなど数種のペプチドについて、固相上での水中合成を検討し、いずれも効率よく得ることができた。また、分散性を向上させるとその反応性も改善されると考え、界面活性剤(TritonX-100など)の添加について検討してところ収率、純度の向上が認められた。 このように、Fmoc保護アミノ酸を水分散型ナノ粒子すなわちナノサスペンションへと加工することで水中でも反応に用いることができることを示した。また、それらを利用した水中固相合成法を確立することができた。本技術は、building blockの難溶性解決の新たな提案でもあり、環境に調和した水循環型固相有機合成法の足掛かりと期待できる。
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Research Products
(11 results)