2008 Fiscal Year Annual Research Report
水系での固相合成~グリーンケミストリーを指向したペプチド合成法の開発
Project/Area Number |
17790025
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Research Institution | Kobe Gakuin University |
Principal Investigator |
北條 恵子 Kobe Gakuin University, 薬学部, 助教 (20289028)
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Keywords | 水 / 有機合成 / ペプチド / 縮合反応 / 環境 / ナノテクノロジー / 分散 / 保護アミノ酸 |
Research Abstract |
ペプチド合成の一般的building blockであるBoc保護アミノ酸、Fmoc保護アミノ酸である。これらは有機溶媒に優れた溶解性を示す水に難溶の固体で水中反応への利用は不適とされており、完全水系でのBoc法、Fmoc法によるペプチド合成の検討はなされてこなかった。最近我々は、新しい技術としてFmoc保護アミノ酸を用いる水中固相合成法を報告した。今年度は、Boc保護アミノ酸を水分散型ナノ粒子として用い、水を溶媒とした液相合成について検討を行った。まず、Boc保護アミノ酸の水系分散型ナノ粒子の調製を行った. 調製したBoc保護アミノ酸の水分散型ナノ粒子を用いたLeu-enkephalinamideの水中での液相合成を検討した。縮合反応は、DMT-MMを用いて行った。Boc基の脱保護反応はHCl-ジオキサンを用いて行った。縮合反応は、水中で水分散型ナノ粒子のBoc保護アミノ酸とアミン成分を混合し、DMT-MMを加え、中性条件下室温で12時間撹拌することにより行った。反応後、未反応のナノ粒子や試薬の副産物を濾過によってのぞき、目的物の各保護ペプチドフラグメントを, 純度よく得ることができた. 純度を示す。いずれも、収率は、80%以上と高くその純度も90%以上と高収率、高純度得ることができ、水分散型ナノ粒子を用いた水中での縮合反応が円滑に進行したことがわかった。また、最終脱保護によって得られた目的のLeu-enkephalinamideのtotalの合成収率は83%で、TOF-MS、旋光度により確認した。 以上、今回、Boc保護アミノ酸の水分散型ナノ粒子を遊星ボールミル中で調整し、それらを用いたBocchemistryによる水中でのLeu-enkepahlinamideの合成に成功した。また、水分散型ナノ粒子を用いたDMT-MMによる水中での縮合反応は、高収率、高純度で進行することがわかった。
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