2006 Fiscal Year Annual Research Report
炎症性疾患の診断・生化学的解析を目的とするニトロ化アミノ酸とペプチド分析法の開発
Project/Area Number |
17790033
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Research Institution | Doshisha Women's College of Liberal Arts |
Principal Investigator |
山内 雄二 同志社女子大学, 薬学部, 准教授 (80314392)
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Keywords | 生体分析 / ニトロチロシン / HPLC / 電気化学 / ECD / 尿 |
Research Abstract |
昨年度の研究で、還元応答型HPLC/ECD分析システムにイオン対分離モードを採用することで3-ニトロチロシン(3-NT)を良好に検出できることを既に見出していた。また本分析システムに用いる最適なイオン対試薬および本分析システムにおける3-NTの定量濃度範囲や検出下限濃度などの分析特性も既に明らかとしていた。さらに、還元応答型HPLC/ECD分析システムに組み込まれているカラムスイッチングシステムを3-NTのオンライン・プレ濃縮法として活用し、本分析システムを用いた3-NT分析法の大容量化および高感度化を試み、10〜500μLの範囲内で分析試料容量を変化させることのできる容量可変型3-NT分析法の開発にも成功していた。 しかしながら、ヒト尿試料を用いて、還元応答型HPLC/ECDシステムを用いた3-NT分析法の生体適合性を検討した結果、ヒト尿中に存在する多種・多量の夾雑物が本分析法を妨害することが明らかとなった。そこで、逆相系充填剤が充填された固相抽出法を用いたヒト尿試料の前処理条件を検討したが、実分析のためには検討の余地を残した状態であった。そこで本年度では、実分析を志向した3-NTのヒト尿試料分析のためのサンプル前処理条件のさらに詳細な検討を実施した。その結果、Waters社およびPiatech社製の固相抽出カートリッジを用いたサンプル前処理において、まずまず満足できる処理条件が確立できた。また本処理条件を用いることでヒト尿試料中の3-NTを良好に分析できることを確認した。
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