2005 Fiscal Year Annual Research Report
リン酸化プロテオーム解析に向けた新しい電気泳動法の開発
Project/Area Number |
17790034
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
木下 英司 広島大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 助教授 (80304418)
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Keywords | リン酸化 / プロテオーム / リン酸化プロテオーム / リン酸化タンパク質 / 電気泳動 / リン酸化アフィニティー / ウェスタンブロッティング / ビオチン |
Research Abstract |
研究代表者が所属する研究室の成果の一つに「亜鉛二核錯体構造が、アルカリフォスファターゼの基質であるリン酸モノエステルを特異的に捕捉するために必須である」という発見がある。この酵素モデル研究の成果を基盤に、最近、研究代表者らは、生理条件下でナノモル濃度のリン酸モノエステルを認識する機能性分子(Zn_2L^<3+>)の開発に成功した。そのZn_2L^<3+>とリン酸モノエステルの親和性(フェニルリン酸アニオンの場合、K_d=25nM)は、カルボン酸イオン(酢酸アニオン等)との親和性よりも一万倍以上大きい。本研究においては、このZn_2L^<3+>を材料として用い、これに様々な側鎖置換基を付加させることによって、リン酸化プロテオーム研究に向けた新しい解析技術の開発を行った。本年度に開発した技術(研究実績)を列記する。 (1)ビオチン骨格を導入したZn_2L^<3+>誘導体(ビオチン化Zn_2L^<3+>)とストレプトアビジンの複合体を表面プラズモン共鳴(SPR)分析のリン酸基認識素子として利用する方法を世界に先駆けて樹立した。 (2)上記複合体をウェスタンブロッティング法に応用したことにより、世界で初めてブロット膜上のリン酸化蛋白質の網羅的高感度検出(化学発光法の利用)に成功した。 (3)Zn_2L^<3+>をアクリルアミドに固定化し、リン酸化蛋白質の分離を目的とした新しいリン酸アフィニティー電気泳動法を世界で始めて樹立した。 現在、上記の技術を実用化すべく、評価・検討を精力的に行っている。
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Research Products
(4 results)