2005 Fiscal Year Annual Research Report
精密設計したクロマトグラフィー用高分離カラムの開発
Project/Area Number |
17790040
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
加藤 大 静岡県立大学, 薬学部, 講師 (30332943)
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Keywords | 澱粉誘導体 / アミロペクチン / モノリス / キャピラリー電気泳動 / マイクロチップ電気泳動 / ナノ構造 / 生体物質 / クロマトグラフィー |
Research Abstract |
今年度は、キャピラリー及びマイクロチップ電気泳動の添加剤として澱粉誘導体を利用した。ポリメチルメタクリレート製マイクロチップを用いた時に、泳動液にカチオン化した澱粉を添加することで、アミノ酸、ペプチド、タンパク質が良好に分離された。泳動液に添加した澱粉誘導体は、チップ表面に吸着し、陰極から陽極への電気浸透流を発生させていた。タンパク質は電荷と分子量の比(m/z)に基づいて分離され、4種類のタンパク質混合液(トリプシンインヒビター、酸性糖タンパク質、リボヌクレアーゼ、ブラジキニン)を最適条件で分離した結果、1分以内に分離された。 さらにこのカチオン化した澱粉誘導体の効果についてキャピラリー電気泳動を用いて詳細に検討した。澱粉は、天然に多量に存在する高分子であり、D-グルコースがα-1,4結合した直鎖構造を有するアミロースとさらにα-1.6結合による分岐を有するアミロペクチンの混合物である。そこでアミロペクチン誘導体化を泳動液に添加し、その効果を調べた。その結果、キャピラリー電気泳動において泳動液にアミロペクチン誘導体を添加することで塩基性タンパク質が良好に分離された。塩基性タンパク質であるα-キモトリプシノーゲンは、6分以内に泳動され、その時の理論段数は560,000段/mであった。これはキャピラリー表面に存在するシラノール基による塩基性タンパク質の吸着をアミロペクチン誘導体が妨害したためと考えられる。以上の結果より、澱粉誘導体の試料の吸着抑制効果は、その主要成分であるアミロペクチンに起因していることが示唆された。
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Research Products
(6 results)