2005 Fiscal Year Annual Research Report
脂質メタボローム解析を駆使したアルツハイマー病早期診断バイオマーカー脂質の探索
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17790051
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高根沢 康一 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助手 (90345257)
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Keywords | 脂質メタボローム / アルツハイマー病 / バイオマーカー / ESI-MS / 脂質プロファイル |
Research Abstract |
アルツハイマー患者脳脊髄液と健常人脳脊髄液から脂質を抽出し、LC-ESI-MSによる脂質の網羅的な比較解析を行った。まず、リン脂質の脂質プロファイリングを行った。リン脂質の脂質プロファイリングに関しては申請者が既に確立している方法を用いた。その結果、ほとんどのリン脂質の分子種に違いは見られず、報告されているホスファチジルエタノールアミンの分子種にも変化が見られなかったが、ホスファチジルコリンの分子種の中で、14:0-16:0の存在量に違いがあることを見出した。この変化はサンプル間でのばらつきが大きく、アルツハイマーの進行度との相関を現在検討中である。 次に中性脂質のプロファイリングを検討した。近年、コレステロールの酸化物であるオキシステロールとアルツハイマー病発症との関連が示唆されているので、中性脂質の中でもオキシステロールに特に注目し、オキシステロールの高感度検出法を検討した。標品のコレステロールおよび25-ハイドロキシオキシステロールを標識せず、ESI-MSで測定すると10-100pmol程度が必要であった。そこで、四級アンモニウム誘導体化およびスルホン化について検討した。その結果、10倍ほどの検出感度の上昇が見られた。しかしながら、未反応物も多く存在しており、複数の標品を混入させて誘導体化を行った場合には、誘導体化効率の差も見られた。 現在、MS/MSタンデムマスを用いたプレカーサーイオンスキャンによるフラグメント情報からの特異的な検出法を進めている。
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Research Products
(3 results)