2005 Fiscal Year Annual Research Report
ナメクジ長期記憶に必要な遺伝子の探索と遺伝子機能阻害法の確立
Project/Area Number |
17790054
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Research Institution | Tokushima Bunri University |
Principal Investigator |
松尾 亮太 徳島文理大学, 香川薬学部, 講師 (40334338)
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Keywords | 長期記憶 / ナメクジ / 遺伝子発現 |
Research Abstract |
本研究では、ナメクジ神経系における遺伝子強制発現系、および遺伝子発現抑制系の確立を目的としている。これに関連して、本年度では下記の2点を行ったので報告する。 (A)神経損傷によって発現誘導される遺伝子の探索 脳の単離後3時間で発現誘導される遺伝子群を網羅的に探索した。differential display法によって見出され、クローニングまで成功した10バンドのうち、cDNA library screeningの結果、4つの遺伝子については次の通りであることが分かった。(1)アルコールデヒドロゲナーゼ様遺伝子(2)limKLF(Fukunaga et al. 2006)(3)分子内repeatを多数含む新規transcript(4)全長6.9kb以上ある未知遺伝子。これまでの我々、および他のグループの研究により、ナメクジには分子内にtandemなrepeatを含む遺伝子が多数見出されており、上記(3)が神経活動によって誘導される、という事実は非常に興味深い。 (B)発現ベクターを用いた遺伝子強制発現 ナメクジに近縁であるアメフラシの神経細胞において遺伝子強制発現が可能であることが知られているpNEX3ベクターの供与を韓国ソウル大学のKaang博士より受け、これを組み替えてβ-ガラクトシダーゼを発現するベクターを作成した。このコンストラクトが少なくともアメフラシの神経ではβ-ガラクトシダーゼを発現することを示したが、これをナメクジの神経細胞に導入する方法を現在試行錯誤中である。また、内在性のプロモーターを用いた遺伝子強制発現系の確立を目指すため、ナメクジの神経系で発現することが知られているnitric oxide synthase遺伝子のゲノムを、ライブラリースクリーニングによって取得した。
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