2006 Fiscal Year Annual Research Report
RNA干渉とクロマチン修飾による遺伝子発現制御の解明と薬剤開発
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17790072
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
佐々木 貴史 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (70306843)
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Keywords | RNA干渉 / ヒストン / メチル化 |
Research Abstract |
・GFP-SUV39H1ベクターの構築及び生細胞:観察 SUV39H1タンパクの細胞内局在を明らかにするために、GFP融合型SUV39H1発現ベクターを構築した。この発現ベクターを用いてHeLa細胞を形質転換しGFP融合型SUV39H1タンパク質生細胞内での局在部位の観察を行った。その結果、GFP融合型SUV39H1タンパクは核内に局在し、核内でもDAPI染色で強く染まる領域から強いシグナルが観察された。また、細胞分裂期の生細胞連続写真では、GFP融合型SUV39H1タンパクのシグナルは、染色体の分裂像と完全に重なって観察された。これらのことから、GFP融合型SUV39H1タンパクは、核内の染色体上に局在していることが示された。 今後は、GFP融合型SUV39H1タンパク発現系及びArgonauteタンパク発現系を用いて、共発現時の局在の変化やヒストンメチル化状態の変化を明らかにしていく。 ・SUV39H1タンパク及びSUV39H2タンパクの相互作用解析 SUV39H1タンパク及びSUV39H2タンパクが相互作用を示すか確認するために、FLAGタグ融合 SUV39H1及びHAタグ融合SUV39H2の発現ベクターを構築した。これらの発現ベクターを用いてHEK293細胞を形質転換し、細胞抽出液を用いて共免疫沈降法を行った。抗FLAGタグ抗体で免疫沈降を行い、抗HAタグ抗体を用いてウェスタンブロット解析を行った結果、HAタグ融合SUV39H2由来のバンドがみられた。これらの事から、SUV39H1タンパク及びSUV39H2タンパクが相互作用することが明らかになった。 ・部分欠損変異体を用いた結合領域解析 SUV39H1タンパクとArgonauteタンパクの相互作用部位を同定するために、クロモドメイン領域とSET領域ドメインを含む部分欠損変異体発現ベクターを構築した。これらの部分変異体とEIF2C1/hAGO1との相互作用解析を行った結果、2つの変異体とも相互作用を示した。これらは、内在性のSUV39H1タンパクやSUV39H2タンパクなどの影響と考え、再解析を行っている。 また、DICERタンパクとArgonauteタンパクの相互作用部位を同定するために、部分欠損変異体発現ベクターを構築し解析を行った結果、DICERのRIBOc-A領域中に存在する127アミノ酸残基からなる領域が結合に関与している事を明らかにした。(Sasaki and Shimizu, Gene in press)
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Research Products
(1 results)