2005 Fiscal Year Annual Research Report
マクロファージの貧食/アポトーシスにおけるDNA分解機構の解明
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17790075
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
塩川 大介 東京理科大学, 薬学部, 助手 (90277278)
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Keywords | DNase / macrophage / translation initiation / phagocytosis / interferon |
Research Abstract |
我々はDNaseI様エンドヌクレアーゼであるDNaseXがMφの分化、DNaseγがMφ活性化、それぞれの過程に於いて強く発現誘導されることを見いだした。本研究はこれらのDNaseの機能を明らかとし、Mφに於けるDNA分解機構の包括的理解を目標としている。以下に平成17年度の研究成果の概要を述べる。 哺乳動物DNaseXの一次構造を比較検討し、ヒトDNaseI様DNase群に於いてDNaseXに特徴的と考えられていたC末端疎水ドメインが種を超えて保存されることを示した。さらにcDNAの塩基配列解析より、ブタ及びウシDNaseXタンパク合成に於けるnon-AUG型 translation initiationを明らかとした。 Mφに於けるDNaseXの局在を蛍光抗体法を用い解析、DNaseXがMφの細胞膜表面に強く発現することを見いだした。さらにラテックスビーズの貪食に伴う局在変化を調べ、DNaseXが初期ファゴソームに局在し、ファゴソーム成熟過程でDNaseIIと入れ替わることを明らかとした。 ファゴサイトーシスに伴うDNA分解に於けるDNaseXとDNaseIIの役割分担を明らかとするため、抗DNaseIIモノクローナル抗体の作製を行った。組み替えヒトDNaseIIタンパクをマウスに免疫、目的とする抗体を産生するハイブリドーマを得た。 MφDNA分解に於けるDNaseXの役割を明らかとするため、siRNAによるノックダウンを試み、その有効性をウェスタンブロット法により確認した。現在より安定な表現形を得るため、miRNA安定発現系の構築を行っている。 Mφ活性化にともなうDNaseγ発現誘導がどのようなシグナルの下流で起こるかを明らかとするため、各種サイトカイン刺激によるDNaseγ発現誘導を調べた。Mφに於けるDNaseγ遺伝子発現は、IFN-γ、さらにalternative activationを惹起することで知られるIL-4によって強く誘導されることを見いだした。
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Research Products
(4 results)