2006 Fiscal Year Annual Research Report
Cide family遺伝子の脂肪肝特異的な発現調節機構及びその生理機能の解析
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17790079
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
松末 公彦 福岡大学, 薬学部, 助手 (10389364)
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Keywords | 遺伝子 / 脂肪肝 / PPAR / 核内転写因子 |
Research Abstract |
本研究は、2型糖尿病モデルマウス(ob/obマウス)が発症している脂肪肝に特異的なcideAA, fsp27遺伝子の発現調節機構を解明し、cideA及びfsp27遺伝子産物の生理機能、特に脂肪肝形成への関連性を明らかにすることを目的とする。本年度は、両遺伝子産物の生理機能について検討した。 CideA及びfsp27遺伝子産物の生理機能を明らかにするために、両遺伝子を発現するアデノウイルスベクター(Ad-cideA and Ad-fsp27)が構築された。Ad-fsp27感染細胞は、位相差顕微鏡下、48時間あたりから明らかにAd-LacZあるいはAd-cideA感染細胞以上の球状空胞がサイトソルに多数認められた。Ad-fsp27感染細胞で増加した空胞の実体を明らかにするために脂質特異的な染色法であるOil red O染色を行ったところ、これらの空胞は赤色染色を示しOil red O染色陽性の脂肪滴(lipid droplet)であることが証明された。さらに、Ad-fsp27感染細胞において蓄積された脂質クラスを明らかにするため、細胞内トリグリセリド及びコレステロールレベルを測定したところ、Ad-fsp27感染細胞はAd-LacZ感染細胞に比べ有意なトリグリセリドレベルの上昇を認めた。トータルコレステロールレベルは両感染細胞間で有意な変化が認められなかった。これらの結果より、fsp27遺伝子産物の発現は肝細胞にトリグリセリドレベルの上昇をもたらし、その結果lipid dropletの増加を促すことが明らかになった。一方、Ad-fsp27感染細胞とは異なりAd-cideA感染細胞は、コントロールAd-LacZ感染細胞との比較においてlipid dropletあるいはトリグリセリドレベルの相違は認められなかった。
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