2007 Fiscal Year Annual Research Report
蛋白質-蛋白質相互作用阻害剤の探索を指向した新規化合物評価システムの開発
Project/Area Number |
17790091
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
大石 真也 Kyoto University, 薬学研究科, 助教 (80381739)
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Keywords | 蛋白質-蛋白質相互作用 / スクリーニング / 膜融合 / 抗HIV剤 / ペプチド / HIV / gp41 |
Research Abstract |
平成18年度に引き続き、HIV-1のウイルス膜と細胞膜の融合過程を阻害する抗HIV剤の効率的な探索法の確立を行った。HIV-1 gp41のHR1領域に親和性を有し、HR1-HR2のcoiled-coil構造の形成を阻害して抗HIV作用を示す化合物を選抜するために、まずHR1領域のペプチドであるN36のN末端タグを検証した。当初予定していたビオチンペプチドの利用では、ビーズ上のストレプトアビジンの担持量が少なく、期待されたHR2ペプチドのLC-MSでの分析が困難であった。このため、市販のNi-NTA樹脂およびこれに結合するHisタグ化HR1ペプチドを利用したところ、微量のペプチド混合物の中から活性体のペプチドが有意に選抜されることを確認した。 つづいて、すでに上市された膜融合阻害剤Fuzeonに対するHIV耐性株において認められるHR2領域138位の変異獲得メカニズムの解明と、昨年度の研究により見出したT-20EKの高活性誘導体の探索に本法を応用した。まず、HR2ペプチドSC35EKのSer138をCysを除く各種天然アミノ酸に置換したペプチドライブラリー(19種類の混合物)をスプリットーミックス法で構築した。この混合物にHisタグN36を添加して緩衝液中でインキュベーションした後、Ni-NTAを添加してHR1-HR2複合体をプルダウンにより回収し、酢酸水溶液処理後LC-MS分析に付したところ、138位置換HR2ペプチドは、置換アミノ酸がAla、Ser、Thr、Gly、Met、Leu、Valの順に多く回収された。この回収率は、別途パラレル法により合成して評価した抗HIV活性と一致し、HR1-HR2間の結合親和性が抗HIV活性と相関していることが示唆された。また、138位のAla変異によるT-20耐性獲得は、HR1-HR2間の結合親和性の向上によることが示唆された。
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Research Products
(23 results)