2005 Fiscal Year Annual Research Report
多面的応用が可能な高感度キナーゼ蛍光アッセイ系の開発
Project/Area Number |
17790093
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
梅澤 直樹 名古屋市立大学, 大学院薬学研究科, 講師 (40347422)
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Keywords | キナーゼ / 検出法 / 蛍光試薬 / スクリーニング / リン酸化 / クマリン / プロテインキナーゼA / カゼインキナーゼ |
Research Abstract |
筆者は、セリン-トレオニンキナーゼの新規蛍光検出法の開発を進めている。その原理は、リン酸化されたセリンとトレオニンの化学的性質に着目したものである。具体的には、まず固相に担持した基質ペプチドに、キナーゼを作用させリン酸化を行い、続く塩基性条件下でのリン酸基のβ脱離により、セリン及びトレオニン残基が炭素-炭素二重結合を有するように誘導化する。この二重結合はマイケル付加を受けやすいため、チオール基等をもつ蛍光性化合物の添加により、リン酸基を有していたセリン或いはトレオニン残基が蛍光性に変換するというものである。既に、固相としてビーズを用いた系で、本検出原理を用いたプロテインキナーゼA活性の検出に成功している。 本検出原理の一般性を明らかにする目的で、異なるペプチド配列を基質とするカゼインキナーゼ活性の検出を試みたところ、ほぼ同じ条件でカゼインキナーゼ活性の検出にも成功し、本検出原理の一般性が示された。さらに、PKA阻害剤の添加により蛍光強度の阻害剤濃度依存的な減弱が見られ、本検出系がキナーゼ阻害剤の評価にも用いうることが明らかとなった。しかしその過程で、幾つかの問題点が浮き彫りとなった。 本検出法最大の問題点は、基質ペプチドのリン酸化段階にある。現在はビーズに固定化したペプチドを基質としているが、巨大な酵素はビーズ内に浸透できず、基質ペプチドがリン酸化されないことが明らかとなった。そこで、固相としてガラスプレートの使用を計画した。プレートを用いた場合、酵素反応は固相表面で進行し、酵素サイズの影響を受け難いと考えられる。また市販のプレートリーダーを用いることで、大幅な集積化、ハイスループット化が可能になると考えられる。現在用いている蛍光試薬の励起波長、蛍光波長は市販のプレートリーダーでは検出することが出来ないため、蛍光試薬の改良を中心に研究を進めている。
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Research Products
(6 results)