2005 Fiscal Year Annual Research Report
ビタミンD抵抗性くる病II型関連変異受容体とビタミンD誘導体との相互作用の解明
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17790095
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
本澤 忍 帝京大学, 薬学部, 助手 (90311547)
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Keywords | ビタミンD / くる病 / 変異受容体 / 疎水相互作用 |
Research Abstract |
活性型ビタミンD_3の1α位水酸基と水素結合するアミノ酸(Arg274)が変異を起こしたビタミンD受容体(VDR)に対するリガンドとして、活性型ビタミンD_3の1α位に炭素-炭素結合にて疎水的な置換基を導入した誘導体を設計、合成し、変異受容体に対する活性を評価した。1α位の置換基としてメチル基とヒドロキシメチル基の導入を行なった。また、受容体との親和性向上性モチーフとして当研究室で見い出した、2α-ヒドロキシプロピル基を誘導体に導入し、さらなる活性上昇効果を狙った。その結果、1α-メチル-2α-ヒドロキシプロピル体が、変異受容体に対して活性型ビタミンD_3を上回る活性を示した。1α-ヒドロキシメチル体も、メチル体には劣るものの、変異受容体に対する活性は上昇していた。 一方で、今着目している受容体側の疎水的環境は、活性型ビタミンD_3の1α位周辺のみならず、2α位周辺までも広がっていると考えられたので、2α位に疎水的かつ比較的大きい置換基を導入した誘導体も有効であると考えた。そこで、そのような置換基として芳香環を有した誘導体(2α-フェニル、2α-ベンジル、2α-フェネチル体)を設計し、合成した。その結果、残念ながらこれらの誘導体のうち、2α-ベンジル体のみが検出可能な活性を示すのみで、他の誘導体には活性はなかった。 いずれの誘導体も、Trost等により報告された、ビタミンD_3のCD環前駆体とA環前駆体をパラジウム触媒によりカップリングする方法で合成し、A環前駆体は、1α-メチル体はガラクトースを、それ以外はグルコースを出発原料として合成した。
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Research Products
(2 results)