2006 Fiscal Year Annual Research Report
メタロチオネイン欠失細胞を用いたカドミウム輸送系の分子メカニズムの解析
Project/Area Number |
17790106
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Research Institution | Tokushima Bunri University |
Principal Investigator |
藤代 瞳 徳島文理大学, 薬学部, 助手 (10389182)
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Keywords | カドミウム / 輸送体 / ZIP8 / DNAマイクロアレイ / siRNA / メタロチオネイン / Slc family / 耐性 |
Research Abstract |
Cd毒性の軽減に関与する生体内因子として、メタロチオネイン(MT)の重要性は詳細に検討されてきたが、MT以外のCd毒性を修飾する因子についてはまだ十分に解明されていない。また、Cdの細胞への取り込みに関与する輸送体として、小腸の2価金属輸送体であるDMT1の関与が報告されているが、それ以外のCd輸送機構についてもほとんどわかっていない。MT欠損マウス由来の細胞からCd耐性細胞を樹立し、その性状としてCd輸送が変化していることが明らかにされた。そこで、本研究ではMT欠損Cd耐性細胞とその親株細胞との間における遺伝子発現の差異をDNAアレイ、及びReal time PCRの手法を用いて検討した結果、Cd耐性細胞で発現が抑制されている輸送体遺伝子としてZIP14(Slc39a14)が見出された。ZIP14はZnの取り込みに関与するZIP familyの1つである。そこで全てのZIP遺伝子の発現レベルをReal time PCRで調べたところ、ごく最近Cdの取り込みへの関与が報告されたZIP8についても発現低下が認められた。また2価の鉄輸送体であるDMT1の発現も抑制されていた。また、抗マウスZIP8ウサギ血清を用いたウエスタンブロット分析によりタンパクレベルでもZIP8の発現量はCd耐性細胞において顕著に減少していることが明らかになった。ZIP8は亜鉛の取り込みに関与するZIP familyの1つで、精巣におけるCdの輸送に関与することが報告されているが、他の臓器については明らかになっていない。そこでsiRNAを導入し親株のZIP8をノックダウンするとCd蓄積が明らかに低下した。マウスにおけるZIP8 mRNAの臓器分布を調べた結果、ZIP8は精巣で特に高い発現がみられ、次いでCdの標的臓器である肝臓、腎臓、肺にも高い発現が見られた。よってZIP8がCdの取り込みに関与し、これらのCd標的臓器へのCd蓄積において重要な役割を担っている可能性が示唆された。
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Research Products
(3 results)
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[Journal Article] Induction of Metallothionein by Manganese Is Completely Dependent on Interleukin-6 Production.2007
Author(s)
Kobayashi, K., Kuroda, J., Shibata, N., Hasegawa, H., Seko, Y., Satoh, M., Tohyama, C., Imura, N., Sakabe, K., Fujishiro, H., Himeno, S.
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Journal Title
Journal of Pharmacology And Experimental Therapeutics. 320(2)
Pages: 1-7
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