2005 Fiscal Year Annual Research Report
妊娠期における葉酸の体内動態とトランスポーターの機能評価
Project/Area Number |
17790108
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
平野 剛 北海道大学, 大学院・薬学研究科, 講師 (00322826)
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Keywords | 葉酸 / 妊娠 / トランスポーター / 胎盤 / ホルモン / BCRP / 輸送 / 防御機構 |
Research Abstract |
1.各種トランスポーターの発現量と妊娠時期との関連 妊娠ラットの血清中エストラジオールおよびプロゲステロンは、妊娠していない雌ラットと比較して、妊娠14日目において約2倍、20日目では約4倍の分泌量であった。妊娠11、14、17、20日目の胎盤におけるBcrp mRNAおよびタンパクは、妊娠中期である11、17日目の胎盤では観察されるにもかかわらず、妊娠満期である17日目以降の胎盤では両者ともにほとんど認められなかった。ヒト満期胎盤から調製した初代培養細胞を用いBreast Cancer Resistance Protein(BCRP)の発現について検討し、ラットの胎盤と同様にBCRPの発現が少ないことを確認した。以上のことから、妊娠中期までに多く発現しているBCRPは、妊娠の進行とともに著しく減少することが明らかとなった。また、この発現変動は妊娠期のステージ、すなわちステロイドホルモン類の分泌パターンと強く関連していることが示唆された。 2.妊娠期における葉酸濃度変化とBCRPの機能評価 ヒトトロホブラスト細胞由来BeWo細胞を用いて、BCRPの基質であるミトキサントロンの取り込みを評価した結果、BCRPの輸送機能は保持されていた。葉酸添加による影響については、平成18年度以降に行う予定である。 3.母体-胎盤-胎児間における葉酸の動態と薬物が及ぼす胎児への影響 ヒト満期胎盤刷子縁膜小胞を調製し葉酸の輸送特性を評価した結果、FRαおよびRFCの局在が確認された。すなわち、各pH条件下における葉酸のFRαへの結合量は異なり、酸性条件下では中性条件の約1.7倍に増大することが認められた。一方、各種イオン勾配による葉酸の初期取り込みへの影響を検討した結果、RFCを介在する輸送はプロトンとの共輸送ではなかった。他のトランスポーターの関与も含め詳細に検討する予定である。
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