2005 Fiscal Year Annual Research Report
オーダーメイド医療を指向した病態メタボノーム解析システムの構築
Project/Area Number |
17790111
|
Research Institution | Josai International University |
Principal Investigator |
鈴木 直人 城西国際大学, 薬学部, 講師 (60372299)
|
Keywords | オーダーメイド医療 / メタボノーム / LC / TOF-MS / 主成分分析 / バイオマーカー |
Research Abstract |
1.測定条件の設定 LC/TOF-MSによるメタボノーム解析システム構築のため、始めにLC/TOF-MSの分析条件について検討を加えた。具体的には、様々な特性のODSカラム、移動相の組成及びグラジエント条件、キャピラリー電圧等の各種電圧の設定、スキャン時間、レファレンス溶液の設定等について精査した。本研究ではスループット及び分離、測定精度それぞれを考慮し、正負イオンの同時モニタリングを行うこととし、また分析時間は1試料あたり12分に設定することとした。 2.判定条件の評価 診断のための患者のグループ化及びバイオマーカー候補探索のための方法論の検証のため、希釈した健常人尿試料をモデルとし、アセトニトリル/水/ギ酸系の移動相によるグラジエント分離と正負イオンの同時モニタリング(スキャン範囲:m/z100-900)によりデータ収集を行った。その結果、正負イオンのモニタリングにより、各試料で数千のピークを検出することが可能であった。 3.解析条件の評価 検出されたピークのアライメント及びピーク強度標準化処理を行い、得られたピーク情報(ピークNo.と面積)を主成分分析に付すことにより健常人のグループ化及びバイオマーカー候補の探索を試みた。その結果、対象とした健常人はそれぞれ明確に分離され、また各個人に特徴的な化合物も見出すことが可能であった。さらに、同一健常人においても試料採取時間によって代謝物の出現パターンが大きく違うことが見出され、個人間のみならず個人内における尿中代謝物の変動を検出することが可能であり、その有用性が示された。 以上、平成17年度は、本研究の目的及び研究計画の第一段階であるメタボノーム解析システムを構築した。 平成18年度は、本解析システムを用い、病態におけるバイオマーカー探索へと展開する予定である。
|