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2005 Fiscal Year Annual Research Report

トランスポーターの遺伝子多型が循環器系薬剤の臨床薬物動態に与える影響の定量的考察

Research Project

Project/Area Number 17790113
Research InstitutionThe University of Tokyo

Principal Investigator

前田 和哉  東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助手 (00345258)

Keywords肝取り込み / トランスポーター / アンジオテンシンII受容体拮抗薬 / 寄与率 / ヒト肝細胞 / 薬物動態
Research Abstract

本年度は、各種循環器系薬剤の肝取り込みの寄与率を、ヒト肝細胞およびトランスポーター発現系を併用して検証することを重点的に行った。アンジオテンシンII受容体拮抗薬であるバルサルタンは、肝臓に効率よく集積し、代謝をほぼ受けないことから、未変化体としての胆汁排泄が薬物動態を決める最も重要なプロセスとなる。そこで、OATP1B1,OATP1B3発現HEK293細胞を用いて、取り込みを測定したところ、バルサルタンは、OATP1B1,OATP1B3両トランスポーターの基質となることが明らかとなった。さらに、OATP1B1,OATP1B3の選択的基質として以前報告した、estrone-3-sulfate, cholecystokinin octapeptide(CCK-8)を併用して、発現細胞ならびにヒト凍結肝細胞を用いて取り込みクリアランスを計算し、両トランスポーターの寄与を比較したところ、OATP1B1,OATP1B3共に同程度の寄与率で肝取り込みを受けることが示唆された。一方で、同系統の薬物であるテルミサルタンについても、寄与率の検討を試みたところ、OATP1B1発現系では有意な取り込みが見られず、OATP1B3発現系においてのみ対照細胞と比較して有意な取り込みが見られた。一方で、寄与率の見積もりをヒト凍結肝細胞・発現細胞における選択的基質の取り込みから比較したところ、少なくとも、OATP1B3を介した取り込みが半分以上を占めることが見積もられた。この知見は、同系統薬で、共に肝に集積する薬物であっても、その取り込みの分子メカニズムは異なることを示唆しており、興味深い知見であると考えている。また、ウルソデオキシコール酸について肝細胞を用いて詳細な解析を行ったところ、ヒトでの主代謝物であるglycoursodeoxycholateの肝取り込みについて、Na^+非依存的な取り込みの割合が大きいことが示唆され、OATPの取り込みのKm値と比較的同じであることから、ウルソの腸肝循環を決める重要な要素として、OATPトランスポーターの関与が示唆された。

  • Research Products

    (2 results)

All 2006 2005

All Journal Article (2 results)

  • [Journal Article] Uptake of Ursodeoxycholate and Its Conjugates by Human Hepatocytes : Role of Na^+-Taurocholate Cotransporting Polypeptide (NTCP), Organic Anion Transporting Polypeptide (OATP) 1B1 (OATP-C), and OATP1B3 (OATP8)2006

    • Author(s)
      Maeda, K., Kambara, M., Tian, Y., Hofmann, A.F., Sugiyama, Y.
    • Journal Title

      Molecular Pharmaceutics 3(1)

      Pages: 70-77

  • [Journal Article] オーバービュー:薬物トランスポーターの分子多様性、組織特異性、遺伝子多型2005

    • Author(s)
      杉山雄一, 前田和哉
    • Journal Title

      日本薬理学雑誌 124(4)

      Pages: 178-184

URL: 

Published: 2007-04-02   Modified: 2016-04-21  

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