2006 Fiscal Year Annual Research Report
OSTα/βの薬物・内因性物質の輸送特性および発現調節機構の解析
Project/Area Number |
17790114
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高田 龍平 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (90376468)
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Keywords | 薬物動態学 / トランスポーター / 有機アニオン / 転写調節 / ベクトル輸送 |
Research Abstract |
Organic solute transporter(OST)α/βは、小腸での高い発現・FXR/RXRαによる発現制御の可能性から、小腸血管側膜における硫酸抱合体・胆汁酸トランスポーターであることが期待される。本研究課題は、OSTα/βの輸送特性および発現特性の解析を行い、生理的機能および輸送基質の体内動態への寄与を解明することを目的としている。 本年度は、OSTα/β遺伝子発現細胞系を用いた輸送実験、および、OSTα/βの転写調節機構の詳細な解析を行った。 昨年度までに得られた非極性細胞(HEK293細胞)・極性細胞(MDCK細胞)へのOSTα/β遺伝子安定発現株を用い、[^3H]タウロコール酸の輸送実験を行った結果、OSTαとOSTβを同時発現した場合に有意な細胞内取り込み活性の上昇が見られた。これらの細胞におけるトランスポーター蛋白の発現はウェスタンブロットにより確認され、免疫染色の結果、同時導入時において細胞膜上での発現が観察された。 転写調節に関しては、5'-上流域を用いたレポータージーンアッセイ・ゲルシフトアッセイの結果により、FXR/RXRα/ケノデオキシコール酸(FXRリガンド)による発現制御はOSTα・OSTβの上流に存在するIR-1配列を介した直接的なものであることが明らかとなった。また、LXRα/RXRα/TO-901317(LXRリガンド)によってもOSTα・OSTβは発現誘導されることが示され、この誘導はFXR/RXRαと同じIR-1配列を介したものであることが見出された。LXRリガンドによるOSTα/βの発現誘導は、内因性のOSTα/β(in vitro(Caco-2細胞)・in vivo(マウス小腸))においても確認されており、胆汁うっ滞等の遺伝性疾患の治療にも結びつきうる臨床的にも重要な知見であると考えられる。
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