2005 Fiscal Year Annual Research Report
小児患者への6-メルカプトプリン投与時における副作用発現因子の解明
Project/Area Number |
17790129
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
前田 康博 名古屋市立大学, 大学院薬学研究科, 助手 (60275146)
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Keywords | メルカプトプリン / メルカプトイノシン / MS / メルカプトイノシン三リン酸 |
Research Abstract |
6-メルカプトプリン(6-MP)の代謝産物と考えられる6-メルカプトイノシン三リン酸(6-MITP)の合成を市販の6-メルカプトプリンリボシドから試みた。リボシドには3つの水酸基が存在し、選択的に5'位にリン酸基を導入するには3'位及び4'位の水酸基に保護基を導入する必要がある。そこで保護基の導入を以下の方法で行った。初めに、5'位の水酸基をトリチル基で保護した後、3'位及び4'位の水酸基をアセチル基で保護した。その後、5'位のトリチル基の保護を酢酸で外した。以上の結果、3'位と4'位の水酸基のみがアセチル基で保護された6-メルカプトプリンリボシドが高収率で得られた。保護基の導入に成功したので、次に5'位に三リン酸の導入を試みた。初めに、5'位に2-chloro-1,3,2-benzodioxaphosphorin-4-oneを導入し、bis(tri-n-butylammonium)pyrophosphateで環状三リン酸とした後、ヨウ素で開環、最後にアンモニアで3'位と4'位の水酸基の保護を外して目的物の6-MITPを合成した。しかし、得られた目的物は複雑な混合物であったため、精製を必要とした。精製は初めに陰イオン交換樹脂であるDEAE Sephadex A-25を使用して分離後、Shodex Asahipak GS-320 HQカラムを用いHPLCによって精製した。その後、Sephadex G-10によって脱塩を行い、高純度で目的物の6-MITPを得た。全行程の収率は約7%であった。目的物の構造は^1H及び^<31>PのNMRによって決定した。また、イオン源にESIを用いた四重極MSよる分析では、目的物のm/z値である524を観測した。目的物が得られたため、今後はMS/MSを用いた微量濃度の定量法の検討を行う。
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