2006 Fiscal Year Annual Research Report
小児患者への6-メルカプトプリン投与時における副作用発現因子の解明
Project/Area Number |
17790129
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
前田 康博 名古屋市立大学, 大学院薬学研究科, 助手 (60275146)
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Keywords | メルカプトプリン / メルカプトイノシン / タンデムマス / メルカプトイノシン三リン酸 |
Research Abstract |
昨年度までの研究において標準品となる6-メルカフトイノシン三リン酸(6-MITP)の合成を行った。これをイオン源にESI positiveを用いた四重極MSで分析すると、目的物のm/z 524を観測した。定量への応用のため、MS/MSのMRMモードでの分析条件の検討を行ったところ、6-MITPのdaughterionとしてm/z 165が観測された。よってm/z 524>165を用いたMRMモードでクロマトを検出することとした。移動相溶媒に5%メタノール水溶液を使用し、流速0.1mL/minの分析で、1分以内に6-MITPのピークが見られたため、この条件で分析を行うことを決定した。 初めに、予試験とし代謝異常症でない人の赤血球中での6-メルカプトプリン(6-MP)の代謝過程を観測した。赤血球中に緩衝液を加え、6-MITP及び6-MPを加えて37℃でインキュベート、上述のMS/MSの手法で経時的に6-MITPを測定した。時間経過と共に6-MITPが代謝され、観測されるピークが減少すると予想したが、0.5hから2hの観測で、6-MITPの変化は見られなかった。これは6-MITPの代謝量が相対的に小さく、今回検討した分析条件では、変化量が観測されていない事が予測された。MSにおいてESi positiveによりイオン化を行い検討してきたが、negativeによるイオン化を用いた方が6-MITPが高感度で検出できる可能性もあり、変化量が観測できることも考えられるため、今後MS条件の再検討を行う。
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