2007 Fiscal Year Annual Research Report
小児患者への6-メルカプトプリン投与時における副作用発現因子の解明
Project/Area Number |
17790129
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
前田 康博 Nagoya City University, 大学院・薬学研究科, 助教 (60275146)
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Keywords | メルカプトプリン / メルカプトイノシン / タンデムマス / メルカプトイノシン三リン酸 |
Research Abstract |
標凖品として口した6-メルカプトイノシン三リン酸(6-MITP)のタンデムマス(MSIMS)によるESI positive,MRM modeでの分析条件を検討した。その結果m/z524及びproduct ionとしてm/z 165が観測された。従ってm/z 524>165のMRM modeでの定量を決定した。一方,6-メルカプトプリン(6-MP)のMSによる分析ではm/z 153が観測されたが,定量分析に有用なproduct ionが検出できなかった。従ってm/z 153でのSIR modeでの定量を決定した。 次に移動相条件を検討した。移動相溶媒に5%メタノール水溶液を使用し,流速0.1mL/minでのflow injection分析を行った。その結果,いずれの化合物においても1分以内にピークが見られたため,この条件で分析を行うことを決定した。 健常人の赤血球中での6-メルカプトプリン(6-MP)の代謝過程を観測した。赤血球中に6-MPおよび6-MITPを加えて37℃でインキュベート後,上述のMS及びMS/MS法で経時的に6-MP,6-MITPを経時的に測定した。時間経過と共に6-MP,6-MITPが代謝され,観測されるピークが減少すると予想した。測定開始時すでに6-MPは観測されず短時間で代謝された事が示唆されたが,6-MITPは開始後2時間まで変化は見られなかった。この測定法を利用し,今後患者での代謝過程を調べることで,薬物投与への応用が期待できる。
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