2006 Fiscal Year Annual Research Report
細胞の形態形成に関与する遺伝子の欠失マウスの作成とその分子細胞生物学的解析
Project/Area Number |
17790137
|
Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
佐藤 真人 群馬大学, 大学院医学研究科, 助手 (60375532)
|
Keywords | 解剖学 / 細胞・組織 / 細胞極性 / 遺伝子欠損マウス |
Research Abstract |
細胞の極性は個々の細胞の機能や形態形成のみならず組織、器官の形成や機能を維持する上で重要である。極性を持つ細胞では多くの蛋白がTGN(Trans-Golgi network)等で頂端側(apical)、側底側(basolateral)に分配、輸送されその過程が極性の形成、維持に重要と考えられている。その分配、輸送、特に輸送に使われる小胞と細胞膜等との融合に重要と考えられているSNARE蛋白の一つ、VAMP7(Vesicular Associated Membrane Protein-7)は上皮細胞では頂端側への選別輸送に関わる重要な因子であり、また神経細胞の軸索の伸長でも重要な役割を果たしている。そのためVAMP7が選別輸送の制御に重要である可能性は高く、この分子の機能を解明することは選別輸送のメカニズムを明らかにする上で極めて重要と考えられる。本研究では選別輸送の重要な鍵を握るVAMP7の遺伝子欠損マウスを作成することで、組織や個体レベルでのVAMP7の機能を明確にし、それを通じて生体において選別輸送が果たす役割を解明する。まず本年度は全身でVAMP7を欠失するマウスの解析を行った。これまでに組織細胞の形態の解析などにより解明を試みたが、現時点ではノックアウトマウスにおける異常を明らかに出来ていない。また極性輸送における異常を解析するためにマーカーを用いて組織学的解析を行ったがこれまでに明らかな異常は認められていない。今後さらに解析を進め異常のみられた臓器・組織における組織及び時期特異的VAMP7遺伝子欠失マウスの作成を行っていく。この際に必要なVAMP7遺伝子座がloxPで挟まれたマウス(VAMP7-floxedマウス)の作成と合計6種類の組織特異的Cre発現マウスの入手もすでに完了した。
|