2005 Fiscal Year Annual Research Report
単一皮膚感覚受容器の刺激感受性と発現遺伝子の並列的解析による細胞特異的因子の同定
Project/Area Number |
17790159
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
片野坂 公明 名古屋大学, 環境医学研究所, 助手 (50335006)
|
Keywords | 脊髄後根神経節 / 温度受容 / 痛み / ブラジキニン / TRPV1 / パッチクランプ / DRG / マスタードオイル |
Research Abstract |
計画1,単離培養した後根神経節(DRG)細胞の温度感受性解析 一次知覚神経細胞の機能分類のため、培養DRG細胞から全細胞パッチクランプ法による活動の記録を行い、その温度感受性や薬剤感受性を基にして、刺激と細胞分類の方法を検討した。高温感受性細胞は比較的高頻度で得られているが、低温感受性細胞については明瞭な応答が記録できておらず、培養条件や他の方法による細胞の絞り込みなどさらなる検討が必要である。 また、培養DRG細胞でカルシウムイメージングによる応答記録を行い、細胞分類の指標となりうる温度受容体活性化剤(ブラジキニンBK、マスタードオイルMO、カプサイシンCAP)に対する各細胞の感受性を調べ、その重なりの程度を検討した。その結果、BK感受性とCAP感受性にはやや相関がみられたがBK感受性とMO感受性には強い相関はなかった。このことからBK感受性細胞は、MO感受性細胞(TRPA1発現細胞)やCAP感受性細胞(TRPV1発現細胞)とは完全には対応しないことが明らかとなった。 計画2、上記温度感受性細胞に発現する温度受容体のsingle cell RT-PCRによる解析 1及び3の実験計画において、単一細胞の分離に到っていないため、計画していた本解析は行っていない。次年度の研究課題として引き続き実施する。 計画3、生体ラットでのin vivoパッチクランプ法による単一DRG細胞記録システムの立上げ 麻酔下ラットDRG細胞からのin vivoパッチクランプ記録用実験機器のセットアップを終えた。 計画4、一次知覚神経細胞の温度受容体TRPV1の活性調節機構の解析 TRPV1の活性化に対する非ステロイド系消炎鎮痛薬zaltoprofenの効果を調べ、この薬剤の作用点がブラジキニンやATP受容体の下流に共通のTRPV1感作経路にあることを示唆する結果を得た。
|
Research Products
(1 results)