2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17790168
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
大井 義明 富山大学, 医学部, 助手 (50334735)
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Keywords | codeine / EPSCs / guinea pig / NTS |
Research Abstract |
鎮咳薬の作用を電気生理学的により詳細に検討するために、咳反射における求心経路に介在する延髄・孤束核(NTS)の2次ニューロンより興奮性シナプス後電流(EPSCs)を記録し、EPSCsに対する鎮咳薬の作用を検討した。 モルモット延髄よりNTSスライス標本を作製し、2次ニューロンにホールセルパッチクランプ法を適用する事により膜電流を記録した。EPSCsは孤束を電気刺激する事により誘発し、この誘発性EPSCs(evoked-EPSCs)に対するコデインの作用を検討した。 まず、2次ニューロンに誘発されたEPSCsはAMPA受容体のブロッカーによって遮断された事から、このEPSCsはグルタミン酸受容体のうち、AMPA受容体の活性化によって生じている事が確認された。次にEPSCsに対するコデインの作用を検討した所、0.3〜3mMのコデインによってEPSCsは用量依存的に抑制され、その抑制はオピオイド受容体の拮抗薬であるナロキソンによって遮断された。以上の事より、コデインの作用はオピオイド受容体を介した作用である事が確認された。 次にこのEPSCsの抑制がシナプス前抑制なのか、シナプス後抑制なのかを確認するために、paired-pulse刺激法によってEPSCsを誘発してコデインの作用を解析した所、コデインの投与によってpaired-pulse ratioの上昇が見られた事から、この作用はシナプス前抑制である可能性が考えられた。さらに直接、灌流液中にAMPAを投与してAMPA誘発性電流を観察し、その電流に対するコデインの作用を検討した所、コデインの抑制作用は見られなかった。この事からもコデインのEPSCs抑制作用はシナプス前抑制である事が示唆される結果となった。
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