2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17790168
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
大井 義明 富山大学, 大学院医学薬学研究部, 助手 (50334735)
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Keywords | 鎮咳薬 / 電気生理学 / パッチクランプ / 狐束核 / 興奮性シナプス後電流 / コデイン |
Research Abstract |
中枢性鎮咳薬の作用を電気生理学的により詳細に検討するため、昨年度より咳反射の求心路をi形成する延髄・孤束核の2次ニューロンより興奮性シナプス後電流(EPSCs)を記録し、そのEPSCsに対する鎮咳薬の作用を検討している。昨年度の研究結果により、コデインはNTSにおけるシナプス伝達をシナプス前抑制の形で抑制することが示されており、今年度はその抑制のメカニズムを解明することを目指した。 モルモット延髄よりスライス標本を作製し、2次ニューロンにホールセル・パッチクランプ法を適用することにより膜電流を記録した。EPSCsは孤束を電気刺激することにより誘発した。 オピオイドによるシナプス伝達の抑制には電位依存性K^+チャネルの活性化が関与しているという報告があるため、コデインの作用に対する電位依存性K^+チャネルブロッカー、4-aminopyridine(4-AP)の影響を解析した。その結果、コデインによるシナプス伝達の抑制は4-APによって遮断されることが明らかとなった。さらにコデインは自発性のEPSCsも抑制することがあきらかとなっていたが、こちらの抑制作用は4-APでは遮断されなかった。 以上より、コデインによる誘発性EPSCsの抑制は電位依存性K^+チャネルの活性化が関与していることが明らかとなったが、自発性EPSCsの抑制は電位依存性K^+チャネルの活性化以外のメカニズムによることが示唆され、コデインによる誘発性EPSCsおよび自発性EPSCsの抑制に別の機構の関与が考えられる結果となった。
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