2005 Fiscal Year Annual Research Report
血管平滑筋に発現する種特異的な活性酸素産生酵素の解析
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17790173
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
勝山 真人 京都府立医科大学, 医学研究科, 助手 (60315934)
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Keywords | NADPHオキシダーゼ / NOX1 / 血管平滑筋細胞 / プロスタグランジンF_<2α> / 大腸上皮細胞 / 転写調節 |
Research Abstract |
NADPHオキシダーゼは血管組織における主要な活性酸素産生酵素である。申請者らはプロスタグランジン(PG)F_<2_α>によるラット血管平滑筋細胞(VSMC)の肥大には、NADPHオキシダーゼの触媒サブユニットのひとつであるNOX1の発現誘導とそれによって産生される活性酸素が必須であることを見出した。さらにPGF_<2_α>やPDGFよるNOX1の発現誘導には、EGF受容体のトランスアクティベーションとそれに引き続いて起こるMEK-ERK系とPI3キナーゼ-ATF-1系の活性化が関与することを見出した。PGF受容体はG蛋白共役型の受容体であり、活性化されると細胞内カルシウム濃度の上昇とプロテインキナーゼC(PKC)の活性化を引き起こす。そこでNOX1の発現誘導へのPKCの関与を検討した。各種PKCアイソフォーム阻害剤を用いた検討の結果、PKCdeltaがNOX1の発現誘導に関与することが考えられた。そこでPKCdeltaをRNA干渉によりノックダウンした細胞クローンを樹立し検討したところ、ノックダウン細胞ではPGF_<2_α>やPDGFよるEGF受容体のトランスアクティベーション、ERK1/2の活性化、ATF-1の活性化のいずれもが観察されなかった。またノックダウン細胞ではNOX1の発現誘導も認められなかった。さらにノックダウン細胞ではPGF_<2_α>やPDGFよる血管平滑筋細胞の肥大が認められなかった。以上のことからPKCdeltaはNOX1の発現誘導に必須であるだけでなく、VSMCの肥大に関与することも明らかになった。 次にマウスNOX1遺伝子に存在する、3種類の異なる開始エキソンを持つ転写産物(a-type、c-type、f-type)について解析した。VSMCに発現するc-type、f-typeは、大腸上皮細胞に発現するa-typeに比して長いN末端ペプチドを持つことを見出した。
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Research Products
(1 results)