2005 Fiscal Year Annual Research Report
血管内皮スカベンジャー受容体CL-P1の血管の恒常性維持についての役割の検討
Project/Area Number |
17790178
|
Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
大谷 克城 旭川医科大学, 医学部, 助手 (90396367)
|
Keywords | コレクチン / スカベンジャー受容体 / レクチン / 血管内皮細胞 |
Research Abstract |
ゼブラフィッシュ動物モデルとしたCL-P1の機能解析 ゼブラフィッシュCL-P1(zCL-P1)遺伝子に対するアンチセンスオリゴを3種類作製し、各々受精直後の卵にマイクロインジェクションして遺伝子発現制御を行ったところ、何れのアンチセンスオリゴにおいても、CL-P1蛋白発現の抑制が確認でき、アンチセンスオリゴの濃度依存的な表現型の出現が明らかとなった。zCL-P1のネック領域から糖認識領域の部分蛋白を大腸菌により発現・精製し、ウサギに免疫することにより得られた抗zCL-P1抗体による発生段階における胚および幼魚の免疫組織染色、蛍光標識したデキストランの血管内注入による血流の確認、さらにアルカリフォスファターゼの基質による血管内皮染色による血管形成の有無の確認により、背部大動脈および体節血管の欠損あるいは形成不全が確認され、心嚢浮腫、体幹形成の著しい遅延が表現型として認められた。これらの結果から、発生においてCL-P1は血管形成に重要な役割があり、血管形成の不全により種々の表現型が誘導されたと考えられた。さらにアンチセンスオリゴにzCL-P1 mRNAを添加してマイクロインジェクションを行ったところ、mRNAの濃度依存的にCL-P1蛋白発現の上昇が見られ、表現型の回復が見られたことから、アンチセンスオリゴ特異的な表現型の出現、つまりCL-P1が血管形成に重要な役割があることを明らかにした。
|