2006 Fiscal Year Annual Research Report
非貪食細胞の最終分化による活性酸素産生能の獲得とその制御機構の解明
Project/Area Number |
17790189
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
上山 健彦 神戸大学, バイオシグナル研究センター, 助手 (80346254)
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Keywords | NADPH oxidase / 活性酸素 / Rac / PKC / Phagocytosis |
Research Abstract |
非貧食細胞及び貧食細胞における活性酸素産生の制御機構の解明を行った。 1)貧食作用時におけるp47^<phox>-p67^<phox>-p40^<phox>複合体の食胞膜への移行メカニズムをp40^<phox>に注目して行った。p40^<phox>が、それ自身では膜移行能を持たないp67^<phox>を食胞膜に移行させる"アダプター蛋白"として機能すること明らかにした。さらに、p40^<phox>がアダプター蛋白として機能するメカニズムは、p40^<phox>の分子内結合(PX-PBI)の切断による、PI(3)Pに特異的結合能を持つPXdomainの露出ためであることを見出し、世界に先駆けて報告した。 2)非貧食細胞(上皮細胞)における活性酸素産生機構の解明に取り組み、酵素本体であるNADPH oxidase(Nox)の新規ホモログであるNox1とNox3の活性化機構の詳細とその活性化にはRac1が必要であることを見出し、世界に先駆けて報告した。 3)さらに、非貧食細胞(上皮細胞)における活性酸素産生機構の解明において、Noxを活性化する細胞質因子Noxo1(貧食細胞における細胞質因子であるp47^<phox>の上皮細胞におけるホモログ)の4種のアイソザイムの機能発現機構の詳細を報告した。 4)貧食作用時において貧食作用自体を制御する因子として、我々が報告しているePKCの食胞膜への集積機構の詳細を報告した。 5)貧食作用時におけるRacの食胞膜への集積機序について、Rac2は直接食胞膜に移動するのではなく、まず細胞内器官膜に移動し、その器官がRacが持つ器官移動促進作用を利用して食胞に癒合することにより、異物を包むのに必要な膜成分とRac自身の両方を食胞に供給するという、新説を提唱し報告した。
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